当局は「15日間で死亡者2人増」 来年末までで100万人死亡との見通しも
「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」に転換した中国で、新型コロナウイルス感染症が全国的に急拡大して死亡者が急増、医療崩壊が現実のものとなりつつある。特に医療インフラが脆弱(ぜいじゃく)な中小都市や農村地域などが深刻な状況に陥っている。中国の経済専門メディア「財新」は19日の社説で「全国で医療資源が最も多く集中している北京でさえ病院は満室で、解熱剤は底を突いている」「ほかの地域ではパニック状態に直面している」と伝えた。 中国は新型コロナ感染者・重症者・死亡者について正確な統計を集計していないため、感染者がどれだけ出ているのか知るのが困難な状況となっている。
香港紙「明報」は医療関係者の話として、17日の一日に北京で在宅治療中に死亡した新型コロナ感染者は約2700人と推定されると報じた。すると19日、中国防疫当局は「中国全域で前日の新型コロナ感染による死亡者は2人増えた」と明らかにした。3日に山東省と四川省で死亡者が1人ずつ発生したと発表したが、それから15日間で新型コロナ感染による死亡者が増えたことを明らかにしたものだ。
中国全域では火葬場と葬儀場に遺体を運ぶ行列ができている状況だ。北京のある病院の床には冷凍できない遺体30体が横たわり、一部の葬儀場は冷蔵コンテナを緊急購入して遺体を保管しているという。
医療専門家らは中国の状況について、来年初めごろ最悪になるだろうとの見通しを出している。中国共産党機関紙の国際版「環球時報」は「各地方政府は来年の春節(旧正月、今年は1月22日)前後に新型コロナ流行のピークを迎えると予想している」と報道した。来年まで新型コロナにより中国で100万人以上の死亡者が発生する可能性があるとの見通しも出ている。米ワシントン大学医学部保健指標評価研究所(IHME)は最新の独自モデル予測結果で、中国で来年3月までに全人口の約3分の1が新型コロナに感染し、来年の年末までに死亡者が100万人を超えると予想した。
別の中国の経済専門メディア「第一財経」によれば、湖南省のある鎮(県の下部行政単位)級都市の場合、人口5万人が8人の医師に頼っているという。この鎮を担当する病院は1カ所だけだが、その医療関係者は医師8人と看護師15人だけだということだ。別の人口7万人の鎮では、最も大きい病院の病床数が99床だけで、高齢の患者たちが入れないという。この鎮の59歳の患者は第一財経の取材に「新型コロナに感染しても、治療どころか一日中待たされて解熱剤ももらえなかった」と言った。一部の地方都市では、解熱鎮痛剤であるパラセタモール(アセトアミノフェン)の子ども向け製品一つが最高2000元(約3万9000円)で売られるほど薬も不足している。
医療システムが揺らぐ中、別の病気にかかった患者も危機にさらされている。財新は「中国のがん患者の半分がワクチン接種していない上、免疫が下がっているため、新型コロナに感染すれば致命的だ」「毎年400万人発生している中国のがん患者たちは大きな困難に直面している」と報じた。中国のメッセンジャーアプリ「ウィーチャット」では病院の救急室の床に横たわっている患者が応急処置を受けている動画が拡散されている。
中国国務院は16日、医療人材拡充のため最近5年以内に退職した医療従事者を医療現場に再投入すると発表した。中国・河南省は戦時に備えた態勢に準ずる1級医療対応態勢を稼動させ、来年3月末まで同省の保健従事者の公休日を取り消した。
北京=イ・ボルチャン特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2022/12/20 09:21
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/12/20/2022122080008.html
「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」に転換した中国で、新型コロナウイルス感染症が全国的に急拡大して死亡者が急増、医療崩壊が現実のものとなりつつある。特に医療インフラが脆弱(ぜいじゃく)な中小都市や農村地域などが深刻な状況に陥っている。中国の経済専門メディア「財新」は19日の社説で「全国で医療資源が最も多く集中している北京でさえ病院は満室で、解熱剤は底を突いている」「ほかの地域ではパニック状態に直面している」と伝えた。 中国は新型コロナ感染者・重症者・死亡者について正確な統計を集計していないため、感染者がどれだけ出ているのか知るのが困難な状況となっている。
香港紙「明報」は医療関係者の話として、17日の一日に北京で在宅治療中に死亡した新型コロナ感染者は約2700人と推定されると報じた。すると19日、中国防疫当局は「中国全域で前日の新型コロナ感染による死亡者は2人増えた」と明らかにした。3日に山東省と四川省で死亡者が1人ずつ発生したと発表したが、それから15日間で新型コロナ感染による死亡者が増えたことを明らかにしたものだ。
中国全域では火葬場と葬儀場に遺体を運ぶ行列ができている状況だ。北京のある病院の床には冷凍できない遺体30体が横たわり、一部の葬儀場は冷蔵コンテナを緊急購入して遺体を保管しているという。
医療専門家らは中国の状況について、来年初めごろ最悪になるだろうとの見通しを出している。中国共産党機関紙の国際版「環球時報」は「各地方政府は来年の春節(旧正月、今年は1月22日)前後に新型コロナ流行のピークを迎えると予想している」と報道した。来年まで新型コロナにより中国で100万人以上の死亡者が発生する可能性があるとの見通しも出ている。米ワシントン大学医学部保健指標評価研究所(IHME)は最新の独自モデル予測結果で、中国で来年3月までに全人口の約3分の1が新型コロナに感染し、来年の年末までに死亡者が100万人を超えると予想した。
別の中国の経済専門メディア「第一財経」によれば、湖南省のある鎮(県の下部行政単位)級都市の場合、人口5万人が8人の医師に頼っているという。この鎮を担当する病院は1カ所だけだが、その医療関係者は医師8人と看護師15人だけだということだ。別の人口7万人の鎮では、最も大きい病院の病床数が99床だけで、高齢の患者たちが入れないという。この鎮の59歳の患者は第一財経の取材に「新型コロナに感染しても、治療どころか一日中待たされて解熱剤ももらえなかった」と言った。一部の地方都市では、解熱鎮痛剤であるパラセタモール(アセトアミノフェン)の子ども向け製品一つが最高2000元(約3万9000円)で売られるほど薬も不足している。
医療システムが揺らぐ中、別の病気にかかった患者も危機にさらされている。財新は「中国のがん患者の半分がワクチン接種していない上、免疫が下がっているため、新型コロナに感染すれば致命的だ」「毎年400万人発生している中国のがん患者たちは大きな困難に直面している」と報じた。中国のメッセンジャーアプリ「ウィーチャット」では病院の救急室の床に横たわっている患者が応急処置を受けている動画が拡散されている。
中国国務院は16日、医療人材拡充のため最近5年以内に退職した医療従事者を医療現場に再投入すると発表した。中国・河南省は戦時に備えた態勢に準ずる1級医療対応態勢を稼動させ、来年3月末まで同省の保健従事者の公休日を取り消した。
北京=イ・ボルチャン特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2022/12/20 09:21
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/12/20/2022122080008.html