韓国で「反日教育」が“復活”も…! 超学歴社会・韓国の「危ない現実」と、壊される「韓国の若者たち」の悲劇
田中 美蘭ライター
●超学歴社会「韓国」で「5歳から小学生」騒動…!
先日、突如として韓国を騒然とさせた「5歳で小学校入学」のニュース。現在、満2歳である子どもたちが5歳となる2025年度に小学校に入学させるという案が発表されたのであった。
欧州やオーストラリアといった国でも満5歳からを小学校過程としているものの、韓国では、日本と同じようにこれまでは満6歳を向けての入学としてきた。
それをいきなり5歳に引き下げるというのだからさっそく大きな波紋を広がっているわけだ。
韓国といえば、厳しい学歴社会として知られる。小学生時代から大学受験の勉強を始める“猛者”がいるなど、その壮絶さについてはよく知られている。
今回の「5歳から小学生」騒動も早期教育による効果や、少子化によって減る若者の早期社会進出なども期待されてのことだという。
しかし、当然といえば当然、さっそく該当年齢の子どもを持つ親や教育関係者から一斉に「幼児の権利を無視している」「さらに格差を広げるだけだ」などと反発の声が上がっている。
さらに、一部の親や教員が撤回を求めてデモを行うなど混乱が高まっているのだ。
●「反日教育」が再び…
「5歳で小学校入学」は今回初めて降って湧いたような印象を受けるものの、実は十数年前にも、このことについて議論が持ち上がったことがあった。
筆者の記憶では2009年頃であったが、当時、正式に政府からアナウンスされたものではなく、「推進」や「検討」といった表現でマスコミに報じられていた。
しかし、当時も親や教員達からの戸惑いや反発が大きかったことから、結果的に立ち消えとなったのであった。
代わりに、2011年に当時の李明博(イ・ミョンバク)政権時代に、幼稚園または保育園に通う満5歳児を「共通課程」として事実上の小学校入学ための「プレ期間」とすることで定着したのであった。
さらに、前回、「5歳小学校入学」の議論が上がっていた2009年には韓国の教育現場である大きな変化があった。それは、この年に小学校に入学した子どもたちの学年編成から「早生まれ」が廃止されたのである。
じつは、韓国ではこのように時の政権によって教育が大きく翻弄されてきた。文在寅政権時に「反日教育」が過熱したことは記憶に新しく、今回の騒動でも政治によって唐突な“教育改革”が起こり得る現実が示された形である。
そうした中で、よもや大統領支持率が下がってくれば再びの「反日教育」が復活するのではないか――そんな悪夢も現実味を帯びてくるという声すら出ているのだ。また、政治の事情で大切な教育を翻弄されることに韓国の若者たちは絶望し、今回も反発の声が上がっているという背景事情があるわけだ。
https://gendai.media/articles/-/98308