台湾有事で中国が狙う日本の要衝 習近平の“野望実現”が始まる
習近平(69)が”野望実現”に向けいよいよ動き出した。それは、台湾統一を果たし、自身が中国の「終身皇帝」になるという野望だ。
【画像】日本は大丈夫なの…?国防で使われるしょぼい戦闘兵器の数々
https://friday.kodansha.co.jp/article/234144/photo/116efc3e
「共産党総書記の任期は原則2期10年と定められていましたが、習総書記はこれを超えて3期目に就こうとしています。前例を破って実現するためには、国民を納得させる実績が必要になる。今秋の中国共産党大会で、台湾統一を目指すと公言する可能性も出てきました」(中国情勢に詳しいジャーナリストの福島香織氏)
8月2日、大統領継承序列2位のペロシ米下院議長が訪台した。これを機に、中国は台湾を取り囲むように軍事演習を開始。日本のEEZにミサイルを着弾させるなど緊張は一気に高まっている。中国に台湾を奪われるようなことがあれば、東アジアの安全保障に大きな危機が生じるのは間違いない。太平洋に展開する米海軍第7艦隊も警戒を強めている。
では、実際に「台湾有事」が起きたとき、中国はどう動くのか。そして、日本にはどんな脅威が迫るのか――。
ウクライナ戦争においてロシアが大苦戦を強いられたのは、首都・キーウ制圧に時間を要したことで西側諸国に支援態勢を整える余裕を与えたことが要因とされる。習近平はプーチンと同じ過ちを犯さない。電撃的に台湾の中心都市・台北を制圧するつもりだ。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が言う。
「台北の主要部だけを一気に制圧する”斬首(ざんしゅ)作戦”は中国にとって最も成功確率の高い現実的な作戦と言えます。まず、潜水艦を台湾周辺の広い海域に展開して米軍を牽制しつつ、戦闘機や艦艇、ミサイルで台湾軍に陽動作戦をかける。同時に、ヘリや輸送機から落下傘などで台北を奇襲。一気に総統府や軍司令部、テレビ局などを襲って総統および政府・軍の幹部を人質にとり一定のエリアを制圧する。これが”斬首作戦”です」
台北突入の任務に当たるのは、中国空軍の特殊部隊「雷神」と見られている。高さ5500mからの降下や260mからの超低空降下などの訓練を積んだ精鋭である。後手に回ったアメリカは、慌てて台北奪還へと打って出るだろう。出動するのは、沖縄の嘉手納(かでな)基地や普天間(ふてんま)基地の米軍だ。そうなれば、日本も否応なく戦闘に巻き込まれることになる。黒井氏が続ける。
「中国軍が沖縄の基地をミサイル攻撃しないはずはありません。長崎県の佐世保基地、山口県の岩国基地などの西日本の米軍基地も攻撃の対象となり得ます。この場合、日本の領土が攻撃を受けるわけですから、自衛隊が『防衛出動』して応戦します。そうなると、自衛隊の基地も標的となるため、那覇空港はもちろん、福岡県の築城基地や宮崎県の新田原基地などもミサイルで攻撃されうるでしょう。それらの基地を狙ったミサイルが住宅地に着弾することも十分に考えられます。
中国はすでにそうした日本を攻撃するミサイルを二千発以上も配備しています。中国軍に米軍が一発でも撃ちこんだ時点で沖縄本土の米軍基地に多数のミサイルを降らせるでしょう。対応が急がれます」
「台湾有事」が発生した場合、日本の一般市民、一般市街に被害が及ぶ可能性もあるということだ。日本は中国のミサイル攻撃に対し、PAC-3やイージス艦を用いた迎撃システムを備えているが、実戦経験の少ない自衛隊がどこまで対応できるかは未知数だ。そもそも、自衛隊は装備面で大きな不安を抱えている。アメリカから高価でハイスペックな兵器を購入しているが、使いこなせているとは言いがたい。一方で、戦闘機はまだ’70年代のF-15が主力というありさま。中国の最新兵器を相手に”時代おくれ”の装備で立ち向かう事態も起こりかねない。
さらに、ウクライナ戦争で威力を発揮したサイバー攻撃にも警戒が必要だ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が言う。
「戦争が起きたときにサイバー攻撃で狙われるのは通信、電気、鉄道、メディアといったインフラです。これらを破壊して軍の指揮系統を混乱させ、社会を機能不全にする。’18年に起きた北海道全域での大規模停電からも明らかなとおり、日本はインフラを止められると非常に脆弱です。サイバー攻撃で社会がどんな混乱に陥るか想像もできません。その状況下で、戦闘の後方支援、ましてや応戦行動は困難を極めるでしょう」
日本の領土が戦闘地域になることは決して夢物語ではない。
『FRIDAY』2022年9月2日号より
https://news.yahoo.co.jp/articles/3be8ee9723462aca24ef8d9684cb653fd76cee9e
習近平(69)が”野望実現”に向けいよいよ動き出した。それは、台湾統一を果たし、自身が中国の「終身皇帝」になるという野望だ。
【画像】日本は大丈夫なの…?国防で使われるしょぼい戦闘兵器の数々
https://friday.kodansha.co.jp/article/234144/photo/116efc3e
「共産党総書記の任期は原則2期10年と定められていましたが、習総書記はこれを超えて3期目に就こうとしています。前例を破って実現するためには、国民を納得させる実績が必要になる。今秋の中国共産党大会で、台湾統一を目指すと公言する可能性も出てきました」(中国情勢に詳しいジャーナリストの福島香織氏)
8月2日、大統領継承序列2位のペロシ米下院議長が訪台した。これを機に、中国は台湾を取り囲むように軍事演習を開始。日本のEEZにミサイルを着弾させるなど緊張は一気に高まっている。中国に台湾を奪われるようなことがあれば、東アジアの安全保障に大きな危機が生じるのは間違いない。太平洋に展開する米海軍第7艦隊も警戒を強めている。
では、実際に「台湾有事」が起きたとき、中国はどう動くのか。そして、日本にはどんな脅威が迫るのか――。
ウクライナ戦争においてロシアが大苦戦を強いられたのは、首都・キーウ制圧に時間を要したことで西側諸国に支援態勢を整える余裕を与えたことが要因とされる。習近平はプーチンと同じ過ちを犯さない。電撃的に台湾の中心都市・台北を制圧するつもりだ。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が言う。
「台北の主要部だけを一気に制圧する”斬首(ざんしゅ)作戦”は中国にとって最も成功確率の高い現実的な作戦と言えます。まず、潜水艦を台湾周辺の広い海域に展開して米軍を牽制しつつ、戦闘機や艦艇、ミサイルで台湾軍に陽動作戦をかける。同時に、ヘリや輸送機から落下傘などで台北を奇襲。一気に総統府や軍司令部、テレビ局などを襲って総統および政府・軍の幹部を人質にとり一定のエリアを制圧する。これが”斬首作戦”です」
台北突入の任務に当たるのは、中国空軍の特殊部隊「雷神」と見られている。高さ5500mからの降下や260mからの超低空降下などの訓練を積んだ精鋭である。後手に回ったアメリカは、慌てて台北奪還へと打って出るだろう。出動するのは、沖縄の嘉手納(かでな)基地や普天間(ふてんま)基地の米軍だ。そうなれば、日本も否応なく戦闘に巻き込まれることになる。黒井氏が続ける。
「中国軍が沖縄の基地をミサイル攻撃しないはずはありません。長崎県の佐世保基地、山口県の岩国基地などの西日本の米軍基地も攻撃の対象となり得ます。この場合、日本の領土が攻撃を受けるわけですから、自衛隊が『防衛出動』して応戦します。そうなると、自衛隊の基地も標的となるため、那覇空港はもちろん、福岡県の築城基地や宮崎県の新田原基地などもミサイルで攻撃されうるでしょう。それらの基地を狙ったミサイルが住宅地に着弾することも十分に考えられます。
中国はすでにそうした日本を攻撃するミサイルを二千発以上も配備しています。中国軍に米軍が一発でも撃ちこんだ時点で沖縄本土の米軍基地に多数のミサイルを降らせるでしょう。対応が急がれます」
「台湾有事」が発生した場合、日本の一般市民、一般市街に被害が及ぶ可能性もあるということだ。日本は中国のミサイル攻撃に対し、PAC-3やイージス艦を用いた迎撃システムを備えているが、実戦経験の少ない自衛隊がどこまで対応できるかは未知数だ。そもそも、自衛隊は装備面で大きな不安を抱えている。アメリカから高価でハイスペックな兵器を購入しているが、使いこなせているとは言いがたい。一方で、戦闘機はまだ’70年代のF-15が主力というありさま。中国の最新兵器を相手に”時代おくれ”の装備で立ち向かう事態も起こりかねない。
さらに、ウクライナ戦争で威力を発揮したサイバー攻撃にも警戒が必要だ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が言う。
「戦争が起きたときにサイバー攻撃で狙われるのは通信、電気、鉄道、メディアといったインフラです。これらを破壊して軍の指揮系統を混乱させ、社会を機能不全にする。’18年に起きた北海道全域での大規模停電からも明らかなとおり、日本はインフラを止められると非常に脆弱です。サイバー攻撃で社会がどんな混乱に陥るか想像もできません。その状況下で、戦闘の後方支援、ましてや応戦行動は困難を極めるでしょう」
日本の領土が戦闘地域になることは決して夢物語ではない。
『FRIDAY』2022年9月2日号より
https://news.yahoo.co.jp/articles/3be8ee9723462aca24ef8d9684cb653fd76cee9e