【独自】韓国監査院、文政権下での「政権配慮監査」に一斉監察着手
韓国監査院が虚偽の公文書まで作成し、文在寅(ムン・ジェイン)政権に配慮する監査を行っていたとされる疑惑で、公共機関監査局のA課長と一線監査官ら5人に対する監察を実施していることが分かった。5人全員の職務を解除し、業務用パソコンを押収の上、フォレンジック(復元)を進めている。監査院による監察は個人的な不正の疑いが持たれる1-2人を調査するのが一般的だが、職務と関連して5人を徹底的に監察するのは前例がない。5人は「崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長らの指示で公共機関監査を遂行したが、それを監察するというのはあり得ない」として、反発しているとされる。
今回の監察は脱原発を掲げた文在寅政権で「月城原発1号機早期閉鎖」監査を指揮して左遷され、政権交代後に事務総長に就任した柳炳浩(ユ・ビョンホ)の指示によるものだ。柳事務総長とA課長は昨年、前政権の公共機関評価監査で、担当局長、課長の立場で事案の処理を巡り何度も衝突したとされる。本紙の取材を総合すると、A課長ら5人の容疑は虚偽公文書作成と業務妨害だ。5人は文在寅政権下の昨年1月から実施された公共機関の経営評価監査で、明らかになった評価対象(企画財政部)などの過ちを虚偽公文書まで作成して見過ごし、監査院の業務を妨害したとされる。
当時5人の直属の上司だった公共機関監査局長がまさに現事務総長の柳炳浩氏だった。当時、柳氏と監査院の指揮系統は事案の処理を巡って対立したという。柳氏は監査期間を延長し、文在寅政権の公共機関評価で明らかになった問題をさらに調査すべきだという立場であり、柳氏を指揮していた当時の崔盛浩(チェ・ソンホ)事務総長らは監査期間を延長する必要はないという立場だったという。
こうした状況で、監査院首脳部は昨年9月、行政安全監査局課長だったA課長を公共機関監査局課長に異動させた。硬骨漢で知られる柳氏をけん制するため、気が強いA課長を担当課長に据えたと受け止められた。その後、A課長は柳氏の反対にもかかわらず、上層部の指揮を受け、この監査を延長せずに終結する方向で事案を処理したという。監査院内では「柳氏とA課長が会議で互いに声を荒げ、A課長が席を蹴って出ていくこともあった」という話が広まった。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に交代後、柳氏が監査院事務総長に任命されると、柳氏は指揮下のA課長ら5人の監察を指示し、「政権配慮監査」の背景調査が始まった。監査院周辺からは、今回の監察の余波がどこまで拡大するか分からないとの声が漏れる。A課長は周囲に対し、「昨年の公共機関評価監査は崔載海院長と姜敏娥(カン・ミンア)院長権限代行らの指揮にそのまま従ったものなのに、なぜ業務妨害で監察対象になるのか」と話したという。
監査院は動揺している。A課長は監察着手直後、弁護士を選任し、監査院内部の匿名掲示板に自身の潔白を訴える書き込みをほぼ毎日行っているという。そこには、監査院職員が今回の監察に対する賛否を書き込んでいる。A課長は崔院長に面談を申し入れたが断られたとされる。
元監査院幹部は「監察結果によっては監査院組織が分裂し、指揮系統が大きな打撃を受ける可能性もある」と話した。監察対象の5人が文在寅政権の公共機関評価監査で「政権配慮監査」をしたという明確な物証が出てくれば、責任論が高まる可能性もあるからだ。監査院は「監察事案については、コメントできない」としている。
チョ・ベッコン記者
朝鮮日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d5ab22c7d6e2bbfd282919625bbdc27cd16641c
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韓国監査院が虚偽の公文書まで作成し、文在寅(ムン・ジェイン)政権に配慮する監査を行っていたとされる疑惑で、公共機関監査局のA課長と一線監査官ら5人に対する監察を実施していることが分かった。5人全員の職務を解除し、業務用パソコンを押収の上、フォレンジック(復元)を進めている。監査院による監察は個人的な不正の疑いが持たれる1-2人を調査するのが一般的だが、職務と関連して5人を徹底的に監察するのは前例がない。5人は「崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長らの指示で公共機関監査を遂行したが、それを監察するというのはあり得ない」として、反発しているとされる。
今回の監察は脱原発を掲げた文在寅政権で「月城原発1号機早期閉鎖」監査を指揮して左遷され、政権交代後に事務総長に就任した柳炳浩(ユ・ビョンホ)の指示によるものだ。柳事務総長とA課長は昨年、前政権の公共機関評価監査で、担当局長、課長の立場で事案の処理を巡り何度も衝突したとされる。本紙の取材を総合すると、A課長ら5人の容疑は虚偽公文書作成と業務妨害だ。5人は文在寅政権下の昨年1月から実施された公共機関の経営評価監査で、明らかになった評価対象(企画財政部)などの過ちを虚偽公文書まで作成して見過ごし、監査院の業務を妨害したとされる。
当時5人の直属の上司だった公共機関監査局長がまさに現事務総長の柳炳浩氏だった。当時、柳氏と監査院の指揮系統は事案の処理を巡って対立したという。柳氏は監査期間を延長し、文在寅政権の公共機関評価で明らかになった問題をさらに調査すべきだという立場であり、柳氏を指揮していた当時の崔盛浩(チェ・ソンホ)事務総長らは監査期間を延長する必要はないという立場だったという。
こうした状況で、監査院首脳部は昨年9月、行政安全監査局課長だったA課長を公共機関監査局課長に異動させた。硬骨漢で知られる柳氏をけん制するため、気が強いA課長を担当課長に据えたと受け止められた。その後、A課長は柳氏の反対にもかかわらず、上層部の指揮を受け、この監査を延長せずに終結する方向で事案を処理したという。監査院内では「柳氏とA課長が会議で互いに声を荒げ、A課長が席を蹴って出ていくこともあった」という話が広まった。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に交代後、柳氏が監査院事務総長に任命されると、柳氏は指揮下のA課長ら5人の監察を指示し、「政権配慮監査」の背景調査が始まった。監査院周辺からは、今回の監察の余波がどこまで拡大するか分からないとの声が漏れる。A課長は周囲に対し、「昨年の公共機関評価監査は崔載海院長と姜敏娥(カン・ミンア)院長権限代行らの指揮にそのまま従ったものなのに、なぜ業務妨害で監察対象になるのか」と話したという。
監査院は動揺している。A課長は監察着手直後、弁護士を選任し、監査院内部の匿名掲示板に自身の潔白を訴える書き込みをほぼ毎日行っているという。そこには、監査院職員が今回の監察に対する賛否を書き込んでいる。A課長は崔院長に面談を申し入れたが断られたとされる。
元監査院幹部は「監察結果によっては監査院組織が分裂し、指揮系統が大きな打撃を受ける可能性もある」と話した。監察対象の5人が文在寅政権の公共機関評価監査で「政権配慮監査」をしたという明確な物証が出てくれば、責任論が高まる可能性もあるからだ。監査院は「監察事案については、コメントできない」としている。
チョ・ベッコン記者
朝鮮日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d5ab22c7d6e2bbfd282919625bbdc27cd16641c
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