【大連=渡辺伸】中国の国家衛生健康委員会は3日、2日に本土で109人の感染者が出たと発表した。1日あたりの新規感染が100人を超えるのは8月10日以来、約3カ月ぶり。中国共産党は北京市で8〜11日に重要会議を開く予定で、新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感を高めている。
北京市や重慶市、黒竜江省など17の省・直轄市・自治区で感染が増えている。新規感染者数から入国者の感染者を除いた市中感染は10月中旬まで毎日0〜数人だった。
政府はこれまでどおり、感染が広がった地域は街全体を封鎖し、大規模なPCR検査を実施している。観光地や娯楽施設の営業停止も相次いでいる。
北京市にある2空港を発着する飛行機の便数は11月2日時点で700便超で、10月25日に比べると半減した。飛行機の運航データを扱う中国企業が日本経済新聞の取材に明らかにした。北京での感染拡大を防ぐため、中国当局が運航便数を制限している可能性がある。
共産党系メディアの環球時報によると、感染症研究者の鍾南山氏は10月30日の会合で、当局は感染状況を1カ月以内に制御することが可能だと指摘した。一方で「コロナを短期間で解決することはできない」とも述べている。
日本経済新聞 2021年11月3日 22:32
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0313D0T01C21A1000000/