上官によるセクハラの被害を申告した後、極端な選択を行った韓国海軍の女性中士(軍曹に相当)の事件を巡り、韓国軍当局の隠蔽(いんぺい)の試みや2次加害の状況が次々と明らかになっている。A中士は今年5月27日、B上士(曹長に相当)からセクハラに遭ったことを被害当日にC主任上士へ申告した。しかしC上士はその後、「君は後輩なのだから我慢しろ」という趣旨のことを言っていたことが分かった。これは「被害者の意思を尊重し、上層部へすぐには報告しなかった」というこれまでの韓国軍の説明とは異なるものだ。A中士は今月12日に極端な選択を行った。韓国軍当局はC上士がセクハラ隠蔽を試みたかどうかについて調査中だ。C上司は17日、被疑者として立件された。
A中士の所属部隊長であるD中領(中佐に相当)も同日、2次加害の容疑で被疑者として立件された。D中領は今月9日、A中士のセクハラ事件を正式に受理した後、部下を対象に「2次加害防止教育」を行っていた際、「間もなく何かあるだろうが動揺するな」と言った直後、被害者・加害者の分離措置を取った。そのため、A中士が被害者だという事実が部隊内に知られることになったという。さらに、部隊側がA中士に「人事考課の点数を付けてやらないこともあり得る」「機務司(韓国軍の情報部隊)の人脈でひどいきる」と言ったーという遺族の主張を、保守系最大野党「国民の力」の河泰慶(ハ・テギョン)議員が明らかにもしている。
韓国軍当局は17日、A中士の死去に関連する会議を相次いで開いた。徐旭(ソ・ウク)国防相は緊急の主要指揮官会議を開いて「申告前被害者支援制度を速やかに施行する必要がある」と語った。空軍中士死亡事件後に立ち上げられた民官軍合同委員会も同日開催された。この席ではセクハラ関連法令の再整備などを話し合ったものの、「軍当局は責任を負わずに後追いの会議を開いて制度・法令のせいにしてばかり」という指摘が出た。
ウォン・ソンウ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/08/18 17:01
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