韓国が人口比でより多くの新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンを確保しながらも、今月10日ごろから日本に接種率を追い越された。「ワクチン端境期」の影響で、今月に入り接種速度が落ちた韓国とは違い、日本は安定的に接種を行っているためだ。日本はファイザー・モデルナワクチンだけを使っている。2製品は韓国の7−9月期の接種計画上で主力ワクチンとなっている。韓国政府がワクチン物量導入にもっと積極的に動かなくてはならないという指摘が出ている。
◆日本、韓国よりも1.3%ポイント上回る
英国オックスフォード大学の統計サイト「Our World in Data(データで見る私たちの世界、OWID)によると、今月15日(現地時間)基準で韓国の人口比ワクチン1次接種率は31.1%となっている。日本は32.4%で1.3%ポイント上回った。接種完了率は8.1%ポイントでさらに差が広がっている。
韓国は後発走者だった。日本から9日遅れた今年2月26日になってようやく接種が始まった。だが、日本が物量や医療陣などをタイミングよく確保できずにもたついている間に、韓国が安定的に接種率を伸ばしてきた。5月末基準で韓国の1次接種率が11.3%だった時、日本はまだ一桁台(9.8%)だった。先月末も韓国が日本を上回っていた。当時、韓国は29.9%台、日本は25.4%と集計されていた。
◆韓国が上回っていたのに…
だが、今月に入り、韓国の接種スピードが目に見えて落ち始めた。新規接種は一日平均3万件ほどにとどまった。韓国の接種体系は100万人も可能だ。それだけ在庫量が不足している。そうこうしているうちに、今月9日に日本が0.1%ポイント差で韓国に追いついた。結局、10日に追い越された。
表面的にワクチン確保量は日本が多そうに見える。だが、人口数で計算してみると中身は違う。チョ・ミョンヒ議員(野党「国民の力」)が外交部を通じて把握した日本のワクチン確保量は3億6400万回分だ。韓国の確保量は1億9300万回分で、日本の人口(1億260万人余り)が2.4倍多い。韓国は全国民が3回接種してもワクチンが残る。日本はそうではない。
◆購入量がタイミングよく、十分に入ってきてこそ…
このように韓国が日本に比べて多くのワクチンを確保しているにもかかわらず接種率を追い越されたのは、購入したワクチンがタイミングよく、十分な量が入ってきていないからだという指摘だ。ついに12日には、55〜59歳の国民352万人余りを対象に始まった新型コロナワクチンの予約が中断・再開する事態が起きた。不確実なモデルナワクチン物量の予測が原因だった。7−9月期の主力ワクチンはファイザー・モデルナだ。2つのワクチンは今月それぞれ2回にわたって212万7000回分、75万回分入ってきた。今月の追加導入物量は未定だ。
もちろん日本も今月初めにファイザーワクチン供給量が減り、一部地域で新規接種予約中断事態が起こった。だが、日本の今月接種率は一日平均0.45%ずつ上がるという底力を見せたという評価だ。韓国はこの4分の1水準だ。
チョ・ミョンヒ議員は「ワクチン需給の失敗で、ワクチンを打ちたくても今すぐ打てない状況が続いている」とし「政府はすべての力を動員してワクチンの早期確保に出なければならない」と話した。
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版 2021.07.19 06:55
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