2020年12月15日、観察者網は、選手の「年俸制限令」が出された中国サッカー・スーパーリーグで今後外国人選手の大量退団が発生する可能性があるとの見方が出ていると報じた。
記事は、中国サッカー協会が先日発表した、「スーパーリーグに所属するクラブの一軍選手について、中国選手は500万元(約7900万円)、外国人選手は300万ユーロ(約3億8000万円)以内とすること」などを盛り込んだ「年俸制限令」が議論を呼び、賛否両論出ていると紹介。特に外国人選手に対する大幅な年俸調整は国外メディアからも注目を浴びており、その多くが今後同リーグで「外国人選手の大量退団」が発生する可能性があるとの予測を示したと伝えている。
その上で、デイリー・メールやBBCなどの英国メディアが、「制限令」によって年俸が9割近くカットされることになる上海上港所属の元ブラジル代表MFオスカルの動向に注目したほか、北京国安のコンゴ民主共和国代表FWバカンブ、山東魯能の元イタリア代表FWペッレ、江蘇蘇寧のブラジル人MFテイシェイラなどもオスカルと同じような境遇にあるとした。
記事は、これまでの中国の「金満サッカー」時代について、当初の目的は「ハイレベルな外国人選手を呼び込むことで国内選手のレベルを高めること」だったと指摘。しかし、早い段階で当初の目的は見失われ、外国人選手にボールを回して攻撃させて勝利するスタイルとなり、その傾向が特にアジア・チャンピオンズリーグで顕著にみられるようになったと解説した。
そして、「制限令」による大物外国人選手の退団によって中国スーパーリーグの楽しみや魅力が一層失われることは間違いないとする一方で「中国サッカーの根本的な進歩をもたらすのかどうかは、なおも未知数だ」と評している。
このほか、「制限令」が出されたもう一つの背景として、サッカークラブに注がれる資金や情熱の減退もあると指摘。これまでの大盤振る舞いにより経営が立ちいかなくなったクラブも多く存在し、昨年から今年にかけてスーパーリーグの1クラブを含む、1〜4部リーグで計22クラブが解散を発表したことを紹介した。(翻訳・編集/川尻)
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