韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協。現在の正義記憶連帯の前身)が、「慰安婦展示会」名目で韓国政府から数千万ウォン(1000万ウォン=現在のレートで約87万円。以下同じ)台の補助金をもらった後、予定日を過ぎた現在に至っても展示会を開催していないことが29日までに確認された。
挺対協は展示会の準備すら特段行うことはなく、既に開催日を過ぎた時点で突如「日程を延期する」と韓国政府側に通知した。韓国政府側の承認なしに市民団体が一方的に事業日程を延期するというのは、補助金を回収すべき約定違反に当たる。
保守系最大野党「未来統合党」の郭尚道(クァク・サンド)議員室が入手した資料によると、挺対協は今年5月6日から7月4日まで戦争と女性人権博物館で「連れて行かれた人々、慰安婦生存者遺品展」(仮題)を開きたいとして、韓国政府の補助金2800万ウォン(約243万円。追加で700万ウォン=約61万円支給予定)を受け取った。
挺対協は、与党「共に民主党」の尹美香(ユン・ミヒャン)当選人名義で提出した事業計画書などにて「3月までに展示遺物・記録物リストを作り、4月までに展示広報物の印刷、報道資料の配布、5月からは開幕ニュースのホームページ掲示を完了したい」旨を記していた
だが展示予定日(5月6日)が過ぎるまで、こうした事業は進まなかった。ただし挺対協は、慰安婦被害の李容洙(イ・ヨンス)さんの暴露で世論が悪化した後の今月15日、ようやく「コロナ問題のため8月に延期したい」という趣旨の事業変更計画書を東北アジア歴史財団側に提出した。
日程の延期は、事業変更計画書の提出→事前承認審査→承認という手続きの後にようやく可能だが、挺対協は勝手にこのプロセスを飛び抜かしたのだ。
財団側は「展示会開催日をとうに過ぎた後になって事業日程延期を一方的に通知してきたことは挺対協の約定違反」という立場だが、補助金回収までは検討していないと伝えられている。
これについて郭議員は「一介の公務員が、聖域化された挺対協を相手に、敢えて約定書の条項を掲げて迫ることはできないだろう」としつつ、「税金が投入されている市民団体の事業に監視が行き届いていないとしたら問題」と指摘した。
2020/05/30 08:30/朝鮮日報日本語版
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