新型コロナウイルス感染症により、韓国のプロスポーツで公式戦中止など混乱を来している中、東京五輪開幕(7月24日)まであと約140日となったアマチュア競技も直撃弾を受けている。五輪出場権や上位ランキングを確保するため最後の火花を散らす時期にもかかわらず、大会が次々と中止・延期になったり、入国禁止で足止めされたりするなど、非常事態に陥っている。
■五輪出場権もまだないのに
まだ五輪の出場権を獲得できていない種目の競技が最も急を要する。重量挙げは2018年世界選手権以降6大会の出場成績を基に4月末、ランキングポイント基準で東京五輪出場が決まる。
重量挙げの韓国代表選手のほとんどが5大会に出場しているが、先月27日から2日まで韓国で予定されていた東アジア選手権が中止となり、ランキングポイントを上積みする貴重なチャンスを失ってしまった。新型コロナウイルスは金属に長く残るという研究結果が発表されたため、室内でバーベルを持ち上げる重量挙げは大会開催に特に慎重を期するべき状況となっている。大韓重量挙げ連盟関係者は「現在、韓国代表チーム13人のうち、五輪チケットを確保した選手はまだない。6つの大会に出場という最低条件を満たすためにも、何とか国際大会にいかなければならない状況だ」と語った。
レスリングも同じだ。五輪出場権がかかっているアジア予選(3月27−29日)の開催場所は中国・西安からキルギスに変更されたが、キルギスも先日、大会開催権を返納した。韓国としては何が何でも予選にでなければならない状況なので、新たな開催地に敏感になっている。新型コロナウイルス感染拡大で韓国人の入国を禁止する国が大会を開催すれば、問題は複雑になる。
東京五輪新設種目のスポーツクライミングも同様の状況だ。五輪出場権が男女1枚ずつかかっているアジア選手権が4月に中国・重慶で開催されることになっていたが、取り消された。国際スポーツクライミング連盟(IFSC)はまだ変更後の日程や開催場所を決めていない。
■ランキング上げるチャンス消える?
卓球は五輪本選でできるだけ最強の中国に初めの方で対戦しないよう、ランキング上位を確保することが重要だ。カタール政府の韓国人14日間隔離措置により、カタールオープン出場をこのほど放棄した韓国代表チームは、4月末のスロベニアオープンやクロアチアオープンに出場するため、3月末に出国する予定だ。万が一あるかもしれない入国制限や自宅隔離に備えるため、出国日程を早めた。状況によっては、五輪直前に行われる6月のオーストラリアオープンまで約3カ月間にわたり海外流浪生活をせざるを得ないかもしれない。
4日からキプロス・ワールドカップに参加しようとしていた射撃の韓国代表チームは出国当日の先月27日、キプロスが入国後14日間の隔離措置を取ると通知してきたため、大会出場を断念した。射撃は4月に東京で予定されている五輪テストイベントの参加をめぐっても頭を痛めている。日本も新型コロナウイルス感染者が多いためだ。
既に五輪出場権を獲得しているアーチェリーとテコンドーはまだ状況がいい方だ。アーチェリーは8日から慶尚南道南海郡で行われる予定だった第3次韓国代表選抜戦の日程を無期限延期した。
新型コロナウイルス感染症の影響で困難な状況にはあるが、東京五輪に出場する韓国代表選手団の規模は4年前のリオデジャネイロ五輪(204人)より増える見込みだ。当初、男女ホッケーが五輪本戦出場を逃し、「韓国選手団の規模が大幅に減少するのでは」という懸念があったが、男子ラグビーが初、女子バスケットボールは12年ぶりに五輪出場を果たした。男子ハンドボール(14人)と女子サッカー(18人)も東京五輪出場が期待されている。
大韓体育会が集計した五輪の出場権獲得選手は3日現在、球技種目を合わせて合計152人だ。今後、ゴルフ・重量挙げ・レスリング・フェンシング・バドミントン・柔道などでランキングポイントに基づき五輪出場者が決まる。大韓体育会では選手200−220人が東京五輪に出場するものと予想している。
チャン・ミンソク記者
朝鮮日報日本語版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00080149-chosun-spo&p=1
3/8(日) 21:00配信
(写真:朝鮮日報日本語版)