不正行為も増加
試験を管理する担当者は4人
今年4月に韓国語能力試験(TOPIK)が行われた中国の北京や青島など五つの会場に韓国国立国際教育院、中国駐在の韓国大使館職員、中国教育部(省に相当、以下同じ)の職員など60人が急きょ派遣された。過去最多となる10万8000人が受験したこの日の試験当日に20人の代理受験者が現場で摘発され、その後も筆跡鑑定などによって30人の代理受験者が追加で摘発された。昨年10月に中国で行われたTOPIK試験でも108人の代理受験者が一度に摘発されている。韓国教育部が与党・共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)議員の事務所に提出した資料によると、TOPIK試験における代理受験や電子機器の使用といった不正行為が摘発された件数はここ5年で2倍以上に増えた。
■5年間の不正行為摘発件数は1300件
TOPIKは韓国教育部と国立国際教育院が主管する韓国語能力試験で、韓国語を母国語としない外国人が受験する。韓流の影響で外国人留学生が増加した影響もあり、受験者数は2014年の20万8448人から昨年は32万9000人に増えた。韓国語の地位が高まったという点では高く評価できるが、一方で不正行為も増加している。14年に154件だった不正行為件数は17年に177件、18年には401件へと特に最近は増加のペースも上がっている。今年も7月までの時点で283件の不正行為が摘発された。14年以来の累計では1250件だ。国別では韓国国内での不正行為が741件で最も多く、以下中国276件、ベトナム79件と続いている。韓国国内で摘発された事例はほとんどが国内に滞在する中国人など外国人によるものだった。
中には解答時間が過ぎても答案を書き続けるといった単純不正もあるが、一方で代理人が試験を受けるとか、電子機器を使用するなど計画的な不正行為も多かった。ここ5年間に中国で摘発された不正行為は276件だが、うち93%に当たる257件はこのような計画的不正行為だった。韓国教育部の関係者は「韓国では受験票と身分証の写真などが一致するか徹底して確認するが、中国では比較的チェックが緩かったようだ」と説明した。
■受験者数は33万人だが担当者は4人
韓国教育部は今年のTOPIK受験者数が年末までに37万人近くに達すると予想している。ところがそれを管理する担当者は4人しかいない。試験は韓国国内だけでなく中国、タイ、スーダン、ホンジュラス、エチオピアなど85カ国で行われるが、これら国内外全ての試験を管理しているのは教育部と国立国際教育院の正規職員2人と非正規職員2人だ。試験の受付や現地への支援、精算、管理監督まで全てをこの4人でやっているのだ。国際教育院の関係者は「志願者が多くないときは4人でも十分だが、3年前から志願者が急増し、全世界を担当するのに無理が出始めている」とコメントした。
特に海外での不正行為を管理するには不十分との指摘が相次いでいる。韓国で受験したときは成績が低かった受験者が、比較的管理がずさんな中国で代理人に再試験を受けさせるケースが特に多いという。朴議員は「中国では昨年7万人が受験したが、不正行為の摘発件数は137件しかなかったため、摘発を逃れたケースはもっと多かったはずだ」と指摘する。韓国教育部の関係者は「中国の34会場には中国語の監督官マニュアルを送り、現地で試験を行う機関にも管理監督の強化を要請している」と説明した。
ソン・ホヨン記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/09/2019100980029.html 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/10/09 20:00