【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を発表した韓国が現在、協定を結んでいるのは米英仏など21か国。11月で外れる日本の後釜として候補に挙げ、調整しているのがタイだ。文在寅政権は一昨年「新南方宣言」を発表して以来、ASEAN(東南アジア諸国連合)との戦略的関係を強めようとしている。経済面だけでなく、安全保障分野でも協力していくというのだが、なぜタイなのか。
「日韓GSOMIAは韓国の安全上、北朝鮮の脅威にできるだけ早く対応するためのものだった。これまでは北朝鮮にミサイル発射の兆候があれば、日本の衛星がいち早く察知し、韓国に情報提供してきた。だが、タイは軍事衛星を運用しておらず、地理的にも、極東の安全保障にはあまり関係ない。そんな2国間で一体どんな軍事情報をやりとりするのか」と注目するのがタイの首都バンコク在住記者。
タイでは毎年「コブラ・ゴールド」と呼ばれる多国間共同訓練が行われている。日本では大きく報じられないが、アジア最大規模の国際的軍事演習だ。今年は1〜2月に実施され、米軍とタイ軍主体だが、韓国を含む29か国から1万人が参加。日本の自衛隊も陸海空と統合幕僚監部の約150人が加わった。中国も参加してはいるが、あくまでオブザーバー。米軍は中国に圧力をかける意味もあり、年々、演習規模を拡大させている。
対中国で各国の足並みを揃えたい米トランプ大統領は日韓GSOMIA破棄はアジアの協調を乱すと激怒。その上で米国の頭越しに文政権がタイとのGSOMIAを進めれば、トランプ氏は顔に泥を塗られたと考えかねない。日本との安全保障上の協力を解消しようとする韓国が、来年以降コブラ・ゴールドに参加するかも注目される。そもそもタイは北朝鮮とも外交があり、政治・経済の両面で交流している。
「タイは“八方美人外交”といわれ、特定の国に肩入れすることなく、バランス良く友好を保っている。コブラ・ゴールドを行う一方、中国とも関係が深く、日本との関係も重視している。だから韓国とだけ親密な付き合いをして、北朝鮮の機密や軍事情報を交換するとは考えにくい。そもそもタイは他国のいざこざに関心が薄く、国内でもこの問題はほとんど報じられていない」(前同)
バンコクには北朝鮮国営といわれるレストランがある。上客は在住韓国人や日本人。「朝鮮半島ではお互い会えないが、タイでならこうして…」と韓国人ビジネスマンが鼻の下を伸ばし、北朝鮮美女と“国際交流”をする姿も見受けられる。
“韓泰GSOMIA”でどれだけ有効な情報が得られるのか。文大統領はこの話し合いのため、来月1日からタイを訪問する予定だ。(室橋裕和)
☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「日本の異国」(晶文社)
https://news.livedoor.com/article/detail/17000682/
2019年8月29日 16時0分 記事元 東スポ
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