ソウル市が自営業者の負担を軽減するために朴元淳(パク・ウォンスン)市長の肝いりで導入したモバイル決済システム「ゼロペイ」が20日、試験運用をスタートさせたが、初日の利用は低調に終わった。ゼロペイは加盟店の手数料がかからない決済システムだ。朴市長が今年4月の地方選挙の公約に挙げていたもので、ソウル市は10月、加盟店申請を受け付けて大々的なPRを行った。ゼロペイはスマートフォン用に専用アプリをインストールする必要はなく、既存の金融機関のアプリで決済が可能だ。
ゼロペイの試験運用初日となった20日、4大金融グループのアプリを通じたゼロペイの決裁件数は210件(午後4時現在)にとどまった。ソウル市のメーン取引機関であるA社の決済件数を除外するとわずか106件だ。B社については決済件数が2件しかなかった。ソウル市が市内の至る所にポスターを掲示し、朴市長が市内の伝統市場を訪れて自らPRするなど「総力戦」を展開したことを考えると、あまりにお粗末な件数だ。
ゼロペイの「失敗」は、加盟店申請件数がソウル市の期待を大幅に下回っていたため、ある程度予想されていた。ソウル市は当初、零細業者66万店のうちゼロペイの加入件数目標を約13万店としていたが、試験運用開始日の直前になっても加盟申請は全体の4.5%の3万店にとどまっていたという。今月初めに全体での加入を約束した26のフランチャイズを除けば、加盟店数はもっと少ない。同様の方式でモバイル決済を行っている「カカオペイ」はオフラインの加盟店数が12万店、月間決済額は2兆ウォン(約2000億ウォン)を超える。
金融業界の関係者は「ソウル市は、年間売り上げが8億ウォン(約8000万円)以下の店については手数料がゼロとなる点を強調しているが、クレジットカード手数料が下がり続けており、来年からはこれらの店舗の手数料負担はほぼなくなる。民間の事業者がすでに提供しているサービスを政府があえて実施する理由が分からない」と話した。ソウル市、韓国中小ベンチャー企業部(省に相当)、韓国金融決済院は20日午前、ソウル商工会議所で、ゼロペイの試験サービス利用拡大に向けた会合を開催した。
キム・シンヨン記者
ソース:チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版<ソウル市長肝いりのモバイル決済「ゼロペイ」、初日は空振り>
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