韓国の左翼系団体が「平和統一授業」を口実にソウル市内のある小学校を訪問し、6年生から「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長歓迎団の参加申込書」を集めていたことが分かった。
「わが同胞を一つに運動本部」と名乗るこの団体の講師が担任教師が授業申請を行った6年生クラスで授業を行い、韓半島(朝鮮半島)が描かれた金正恩氏歓迎の手紙を配って絵を描くよう児童たちに指示したのだが、その裏面は「歓迎団参加申込書」となっていた。
児童たちはそれが何かも分からないまま名前、連絡先、住所などを書き、表には「(金委員長)早く来てください」「来てくださってありがとうございます」などと書き込んだ。
この団体ははがきの中から十数枚を選んで「小学生の心を込めた歓迎のはがき」としてホームページに掲載した。金正恩氏や北朝鮮政権の実態について何も理解できない幼い児童を自分たちの政治目的に利用したのだ。
一連の事実を知った小学校側は、事前の許可なしに児童らから申込書を集めこれを公表した団体に抗議し、申込書を返すよう要求している。小学校からの抗議を受け、団体はホームページから関連する写真などをすでに削除した。
問題の「統一授業」を行った団体は、6・15宣言実践南側委員会の常任代表や祖国統一汎(はん)民族連合実務会談代表などを歴任した人物が理事長を務めている。全国教職員労働組合(全教組)や全国民主労働組合総連盟(民主労総)の委員長がこの団体の共同代表だったこともある。
これらの団体は過去にも「統一関連授業をやる」などと言っては、歪曲(わいきょく)された事実で北朝鮮を称賛する内容を児童生徒らに注入し、何度も問題になった。学校側が団体のこのような性格や過去の行動について事前に少しでも調べていれば、歪曲された「統一授業」から児童を守ることができたはずだ。
先週末にはソウル都心で金正恩氏の大型肖像画を掲げ「金正恩」をテーマにした演説会が開催された。自ら大学生を名乗ったある演者は「(金正恩氏が)命懸けで進めるソウル訪問は、その若さからは信じられないほどの推進力と大胆さから出たものだ」「若い指導者が世界の覇権国である米国を制圧する様子をみると、千里眼を持っているのではないかと思えてくる」などと語った。
これをごく少数のおかしな人間の行動として無視できるほど韓国社会は健全だろうか。小学生を欺いて金正恩氏歓迎団への申込書を集める人間たちが、「教育」という言葉を使って勝手に堂々と小学校の教室を出入りしているのが今の大韓民国の実情ではないか。
ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版【社説】小学生をだまして「金正恩歓迎団参加申込書」を集める人たち
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/20/2018112000962.html