李禹煥(Lee Ufan)
『伴著風」(with winds)
(オペラシティの展示会での紹介文)
1960年代、アジア美術がアメリカ美術にも影響を与え、韓国の抽象画も進化した。
1970年代半には、後に“Dansaekhwa“(단색화・単色画の意)また "白の学校"(韓国の白黒絵画)とも呼ばれる独特の韓国スタイルが浮上した。
繊細かつシンプルな雰囲気を持ち、日本で"もの派(School of Things)を立ち上げたLee Ufanのように国際的な注目を集めたアーティストもいる。
2015年にはヴェネツィアの展覧会で人気を集め、丹沢華の作品への関心や韓国美術の盛り上がりを再燃させた。
本展覧会では、寺田コレクションの作品や日本の美術館の作品や私的コレクションを展示している。
ここからは私見だが、白磁と言えば唐・高麗とも称された通り、白点、白塗の使途と活用という点において抜きん出ている印象を受ける。
墨に五彩あり、とも言われるが、反対の余白が“余り“でなく主役に立つ画面構成だ。
ただし現代芸術自体が難解であり、美術史を見ても白抜き、黒塗りつぶしの実験作は枚挙にいとまがない。
それもあり、これが芸術か?という批評は常につきまとう。
最も悲しむべき点はこれらが本国では全く理解されず(軍政下を差し引いても)、日本でのみ理解された点だ。