◆【沖縄2紙が報じないニュース】「差別発言だ」と沖タイ記者が詰め寄り、場外戦に…百田尚樹氏の沖縄講演傍聴記
あれが「新聞記者」だというのか。
ベストセラー作家の百田尚樹氏(61)が10月27日夜、沖縄県名護市で講演を終えた後の出来事だった。
「差別発言があった」。
取材で訪れていた「沖縄タイムス」の記者が、百田氏にこう詰め寄った。
どこが「差別発言」なのか、耳を疑った。
それでも丁寧に説明する百田氏に対し、一歩も引かない記者。
現場で見えたのは、事実を都合の良いようにねじ曲げて伝える「偏向報道」の“作られ方”だった。
百田氏にとって25年ぶりの沖縄だった。
講演は「沖縄のジャンヌダルク」と呼ばれる我那覇真子(がなは・まさこ)(28)氏が代表を務める「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」が企画し実現した。
百田氏といえば平成27年6月、自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」に講師として招かれ、「沖縄の二つの新聞は潰さないといけない」とこぼし、当時の野党、民主党が国会で騒ぎ立てた。
「二つの新聞」とは言うまでもなく、偏向報道著しい琉球新報と沖縄タイムスのことだ。
当時、この2紙の編集幹部がそろって都内で記者会見し、百田氏の発言を「言論弾圧だ」と槍玉に上げ、臆面もなく報道の自由を訴えたことは記憶に新しい。
かくして2紙の「天敵」となった百田氏は9月22日、ツイッターで今回の沖縄入りについて「空港に降り立った途端、沖縄タイムスと琉球新報の記者たちにどつきまわされるかも…」と皮肉ったほどだ。
この百田氏を迎え撃とうと目論んだのが、沖縄タイムスだった。
10月27日夜、百田氏は名護市の数久田(すくた)体育館で開かれた講演会の壇上に立った。
県内外から600人超が訪れ、会場は立錐(りっすい)の余地がないほど埋め尽くされた。
多くの人たちが「立ち見」で、百田氏の講演に聴き入った。
取材する記者には「特権」があると思っているのか。
沖縄タイムスの阿部岳記者(北部報道部長)が、立ち見を余儀なくされている人たちを横目に、最前列の席に陣取っていた。
さあ百田さんよ、何を言うか、しっかり監視してやる−とでも言いたげな光景だった。
講演の冒頭で百田氏は、取材を要請してきた阿部記者を迎えたことを披露した。
この9月、新潟県で開かれた東京新聞の女性記者の講演会では、気に入らないからと産経新聞の記者が主催者の新潟県平和運動センターに閉め出される“事件”が起きたが、百田氏や我那覇氏はそんな野暮なことはしなかった。
ちなみに阿部記者といえば今年3月、沖縄県宮古島(宮古島市)への陸上自衛隊配備計画に反対する石嶺香織市議(当時)がフェイスブック上に「自衛隊が来たら絶対に婦女暴行事件が起きる」と投稿して問題になった際、紙面でこう書き、石嶺氏を擁護した御仁である。
「『絶対に起きる』というのは言いすぎだった。石嶺氏も謝罪し撤回している。ただ、投稿全体は素朴な不安の表明だった。配備で隣人となる自衛隊は災害派遣が評価されるが、いざとなれば実力で目的を達成する組織である。女性や子どもが真っ先に戦争の犠牲になることも、歴史が示している」
さて、講演で百田氏は、沖縄2紙の偏向報道ぶりについて数々の実例を挙げながら紹介する一方、とりわけ尖閣諸島を含む沖縄県に忍び寄る中国の脅威を強調した。
「沖縄の実権を握っている2紙は中国の脅威を書かない。一番被害を受ける沖縄県民が中国の脅威を知らされていない」
百田氏はそう指摘し、眼前の阿部記者に対して沖縄タイムスも「真実」をしっかり報じるよう強く訴えた。
むろん阿部記者は馬耳東風だ。“狙い”を別のところに定めていた。
2時間超にわたる講演と我那覇氏を交えたトークショーの幕が下りた直後のことだった。
阿部記者が唐突に「差別発言をした」と百田氏に詰め寄った。
阿部記者が「差別」と決めつけたのは、百田氏がこの日、講演前に東村高江のヘリパット建設反対活動家たちの「テント村」を視察したときのエピソードを紹介した発言だ。
現場に「国語辞典」が置かれていたことなどに驚いたとのエピソードを紹介した百田氏。
さらに、「(活動家が)中国や韓国からも来ている(と同行した我那覇氏から聞いた)。
嫌やなー、怖いなー、どつかれたらどうするの(と返した)」と語った。
産経ニュース 2017.11.7 01:00
http://www.sankei.com/premium/news/171106/prm1711060009-n1.html
※続きます