「産学連携」は韓国の製造業発展の根幹だ。国費留学で米国などの先進国で知識を習得した教授は故国に戻り、半導体、自動車、鉄鋼などを国産化しようとする企業に喜んで協力した。肩越しに海外企業の設計図をのぞきながら技術を習得していた企業関係者にとって大学は欠かせないパートナーだった。
こうした自然発生的な産学連携は、2010年代初期に政府が介入してから別々の道を歩み始めた。教育・産業・科学・中小企業などを掌握する政府部処から数兆ウォンの支援金が大学に流れると、教授は「プロポーザル」(研究計画書発表)をうまくやって論文をそれなりに書けば手に入る政府の支援金に依存した。
企業との協業は後回しにされた。大学が「論文工場」に変質したため、大企業は未来の事業のための研究を米スタンフォード大のような海外で探し始めた。「産学別居」時代に転落した韓国の現実の顛末だ。
◆企業関係者を冷遇する韓国の大学
米シリコンバレーに「高級頭脳」を供給するスタンフォード大は産学連携で比較的短い期間に「一流」になった大学だ。スタンフォード大の教授は自分たちの学風をこのように表現する。「スタンフォード大には2000人の最高経営責任者(CEO)がいる」。
スタンフォード大経営学センターのファン・ソンジン客員教授は「水平的な学風を強調しながら出てきた言葉だが、同時に教授が企業家精神で団結していることを見せている」と説明した。
これに対しソウル大の約2000人の教授の大半は自らを「総長級」と呼ぶ。現職総長も教授の一人にすぎない。スタンフォード大と同じように教授一人一人の研究独立性を強調した表現ではあるが、「象牙の塔」に傍点を打ったソウル大教授の「マインド」がどういうものかを感じさせる。
ソウル大で産学連携とは工学部内の一部の「親企業」教授の仕事にすぎないという指摘がある。ソウル大工学部がサムスン退職役員を教授として採用しようとしたが、教授社会の反発に阻まれて中断したのが代表的な事例だ。
教育部が産学連携に財政を支援しながら産学連携重点教授という制度が用意されたが、企業出身の教授は多くの大学で冷遇される。ソウルの大学のある教授は「企業から来た教授は2、2年の契約職であり、正教授の助教の役割に終わるケースが大半」と指摘した。
◆大企業「大学から学ぶことない」
日本・米国・中国など海外の大学が追求する産学一体型モデルは「他国」の話だ。主要大学の政策決定者はノースカロライナ州立大(NCSU)など産学連携のメッカと呼ばれる米国の大学を何度も見学した。多くの見学にもかかわらず、産学一体型キャンパスを作った大学は国内ではほとんど見られない。
ソウル主要大学のある総長は「大学は政府が支援する各種研究資金だけで十分に足りるため企業に手を出さない」と述べた。教育部だけでも産学連携支援のために年間数千億ウォンを投入する。
サムスン・現代自動車のような大企業も新産業関連の投資は米国など海外の大学にするのがよいと考えている。教育部の関係者は「ある大企業の役員になぜ国内の大学と協力しないのかと尋ねたところ、農業を除いて協力するほどのものはないと答えた」と伝えた。
ソウル大の関係者は「ソウル大と企業の関係さえも第4次産業革命に対応した未来の技術の開発より、企業が注文する問題を解決する研究下請けレベルにとどまっている」と吐露した。
◆産学連携の土台構築は長期投資の結果
専門家は「産学別居」を「産学連携」に転換するには画期的な政策の変化が必要だと口をそろえる。企業に供給する人材の養成レベルにとどまっている現在の産学連携概念を未来技術共同研究に拡張すべきだという指摘がある。
イ・ヒョンチョン漢陽大教育学科客員教授は「海外先進国では第4次産業革命競争のためにSBE(school based enterprise=大学を基盤にした企業)の活躍が何よりも重要だという認識が広まっている」と述べた。
産学連携のための「インフラ」構築も長期課題の一つだ。延世大松島(ソンド)キャンパスの事例は大学と企業の同居がどれほど難しいかを見せている。
http://japanese.joins.com/article/502/234502.html
(>>2以降に続く)
こうした自然発生的な産学連携は、2010年代初期に政府が介入してから別々の道を歩み始めた。教育・産業・科学・中小企業などを掌握する政府部処から数兆ウォンの支援金が大学に流れると、教授は「プロポーザル」(研究計画書発表)をうまくやって論文をそれなりに書けば手に入る政府の支援金に依存した。
企業との協業は後回しにされた。大学が「論文工場」に変質したため、大企業は未来の事業のための研究を米スタンフォード大のような海外で探し始めた。「産学別居」時代に転落した韓国の現実の顛末だ。
◆企業関係者を冷遇する韓国の大学
米シリコンバレーに「高級頭脳」を供給するスタンフォード大は産学連携で比較的短い期間に「一流」になった大学だ。スタンフォード大の教授は自分たちの学風をこのように表現する。「スタンフォード大には2000人の最高経営責任者(CEO)がいる」。
スタンフォード大経営学センターのファン・ソンジン客員教授は「水平的な学風を強調しながら出てきた言葉だが、同時に教授が企業家精神で団結していることを見せている」と説明した。
これに対しソウル大の約2000人の教授の大半は自らを「総長級」と呼ぶ。現職総長も教授の一人にすぎない。スタンフォード大と同じように教授一人一人の研究独立性を強調した表現ではあるが、「象牙の塔」に傍点を打ったソウル大教授の「マインド」がどういうものかを感じさせる。
ソウル大で産学連携とは工学部内の一部の「親企業」教授の仕事にすぎないという指摘がある。ソウル大工学部がサムスン退職役員を教授として採用しようとしたが、教授社会の反発に阻まれて中断したのが代表的な事例だ。
教育部が産学連携に財政を支援しながら産学連携重点教授という制度が用意されたが、企業出身の教授は多くの大学で冷遇される。ソウルの大学のある教授は「企業から来た教授は2、2年の契約職であり、正教授の助教の役割に終わるケースが大半」と指摘した。
◆大企業「大学から学ぶことない」
日本・米国・中国など海外の大学が追求する産学一体型モデルは「他国」の話だ。主要大学の政策決定者はノースカロライナ州立大(NCSU)など産学連携のメッカと呼ばれる米国の大学を何度も見学した。多くの見学にもかかわらず、産学一体型キャンパスを作った大学は国内ではほとんど見られない。
ソウル主要大学のある総長は「大学は政府が支援する各種研究資金だけで十分に足りるため企業に手を出さない」と述べた。教育部だけでも産学連携支援のために年間数千億ウォンを投入する。
サムスン・現代自動車のような大企業も新産業関連の投資は米国など海外の大学にするのがよいと考えている。教育部の関係者は「ある大企業の役員になぜ国内の大学と協力しないのかと尋ねたところ、農業を除いて協力するほどのものはないと答えた」と伝えた。
ソウル大の関係者は「ソウル大と企業の関係さえも第4次産業革命に対応した未来の技術の開発より、企業が注文する問題を解決する研究下請けレベルにとどまっている」と吐露した。
◆産学連携の土台構築は長期投資の結果
専門家は「産学別居」を「産学連携」に転換するには画期的な政策の変化が必要だと口をそろえる。企業に供給する人材の養成レベルにとどまっている現在の産学連携概念を未来技術共同研究に拡張すべきだという指摘がある。
イ・ヒョンチョン漢陽大教育学科客員教授は「海外先進国では第4次産業革命競争のためにSBE(school based enterprise=大学を基盤にした企業)の活躍が何よりも重要だという認識が広まっている」と述べた。
産学連携のための「インフラ」構築も長期課題の一つだ。延世大松島(ソンド)キャンパスの事例は大学と企業の同居がどれほど難しいかを見せている。
http://japanese.joins.com/article/502/234502.html
(>>2以降に続く)