0001ねこ名無し ★
2017/10/17(火) 07:09:21.40ID:CAP_USER先頭を走るのは、中国検索大手の百度(バイドゥ)、ネット通販大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)、メッセージアプリの騰訊(テンセント)。頭文字を取って「BAT」と呼ばれ、それぞれ優秀な人材が集まる米国のシリコンバレーなどに研究拠点を開設した。
米金融大手ゴールドマン・サックスの調査リポートによると、AIの開発手法である「深層学習(ディープラーニング)」についての論文数で、中国は2014年に米国を抜き世界トップに浮上。資金投入量では米国に次ぐ世界2位だ。米国の約7分の1だが、3位英国には3倍の差をつける。
「検索ではグーグルに少し先行されたが、その他の分野では我々が上だ。特にAI技術を市場に出す速さではかなり先を行っている」。バイドゥがシリコンバレーに開設した研究所で、広報担当者がスマートフォンのアプリを実演してくれた。英語の看板の写真を撮ると、AIが認識して音声で読み上げる。「このサービスを米企業が市場に投入したのは今年後半。バイドゥは2年も前だ」と力説する。
研究員200人はスタンフォード大など米名門大学の中国人卒業生が多く、グーグルやアップルより高報酬を提示していると言われる。
バイドゥは4月に自動運転車用AIソフトの標準獲得に向け、共同開発プロジェクト「アポロ」もスタートさせた。米半導体大手のインテルやエヌビディア、米自動車大手フォード・モーターなど50社以上が参画。グーグルに対抗し、2020年までの実用化を目指す。
今後の開発競争で有利に働くのは、同じ中国語を話し、インターネットを日常生活で使う7億人の中国のネットユーザーの存在だ。ネットやスマホを通じて生まれる世界のデジタルデータの約2割が中国発とされ、膨大なデータをAIに学習させることで、急速な進化が可能になる。
シリコンバレーで中国人留学生の創業を中心に支援するベンチャーファンド「アミノ・キャピタル」共同創業者の李強さんは「新しい技術の波は、新しいチャンスになる。データの質は日米が上回るが、量の点では中国が勝る」と指摘する。シリコンバレーには李さんを含む中国の名門・清華大出身者が1万人もおり、「強いつながり」を維持していることも強みという。
政府も後押し政策
【北京・赤間清広】中国企業がAI投資に前のめりになるのは、AIを「国際競争力を左右する新たなけん引役」と位置づける中国政府の絶大なバックアップがあるからだ。
「理論、技術両面で世界水準をリードし、中国がAIのイノベーションセンターになる」。中国国務院は今年7月、AIに関する国家戦略を公表。3段階のステップでAIを育成し、2030年時点でAIの中核産業だけで1兆元(約17兆円)、関連産業を含めれば10兆元の市場創出を目指す野心的な内容だ。
中国は安価な人件費を武器に「世界の工場」として高成長を続けてきたが、給与水準は既に先進国に近づいており優位性は失われつつある。AIをはじめとする次世代技術を、新たな経済のけん引役として期待するのもこのためだ。
中国の経済政策の旗振り役を担う国家発展改革委員会は今年2月、百度(バイドゥ)や阿里巴巴集団(アリババグループ)、清華大学など中国のAI研究を先導する企業や大学に対して、国家プロジェクトによる研究機関設置計画を承認した。各地方政府も関連企業の誘致や研究拠点の整備、AI産業を育成するファンド創設などを加速している。民間企業を官が優遇策を駆使して支える構図だ。
官民一体となったAI開発をめぐる珍事も起きている。
「共産党は無能だ」。香港メディアによると、中国ネット大手、騰訊(テンセント)が提供するAIの対話プログラムがチャットで異例の体制批判を始め、サービスが急きょ停止された。
https://mainichi.jp/articles/20171017/k00/00m/020/096000c
(続く)