昨年3月、日刊SPA!は「合同結婚式(国際合同祝福結婚式)」の様子を潜入レポートし、各所から大きな反響があった。合同結婚式を主催するのは世界平和統一家庭連合、つまり旧世界基督教統一神霊教会(以下、旧統一教会)である。
1992年に桜田淳子や山崎浩子が参加したことで注目を集めた合同結婚式は、霊感商法の問題などと絡めて大きく報道された。旧統一教会の一般的イメージは、ここで決定的になったと言っていい。だが、その後は教団の体質にも大きな変化が訪れる。創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)の死去があったし、教団名も変わった。信者の数も減少したようだ。
そのような中、かつてと同じように大々的に合同結婚式が開催されているというのだから驚く人も多いだろう。だが、多くの信者たちにとって今も合同結婚式は最重要年中行事。NFLのスーパーボウル、WWEのレッスルマニアに相当するものなのだ。この「世界でもっとも巨大な結婚式」に今年も参加。その内幕、結婚した信者へのインタビューを前後編に分けてお伝えする。
今年の合同結婚式は9月7日に開催された。会場がある京畿道加平郡の清平は、ソウルから車で2時間ほどかかる。高速道路を降りてから、里山の間をすり抜けてようやくたどり着けるような田舎町だ。現地には膨大な数の合同結婚式参加者が宿泊できる施設もないため、多くの者は前日から近郊のリゾート地に宿泊している。取材班も日本人カップルが多数集まるスキー場のホテルに向かった。
合同結婚式の参加者ともなれば、どこか物々しい人物像を想像するかもしれない。しかし実際には、極めてフツーの若者というのが率直な印象だった。洗練された茶髪の女性もいれば、眉を細く剃り込んでいる男性もいる。中には見るからにオタクっぽいメガネ女子や、北関東のマイルドヤンキーみたいな青年も……要するに、今の日本の平均的な若者像そのものなのだ。
ホテルのロビーにたむろする人たちは9分9厘が旧統一教会の信者なのだろうが、あらかじめ前情報がなかったら、誰も宗教的な集まりだとは気づかないはずだ。
と同時に、新婚カップルたちは初々しいオーラを全身から漂わせていた。純潔教育が徹底されている旧統一教会では、自由恋愛が禁止。婚前交渉はもちろんのこと、手を繋ぐことすら禁じられている。合同結婚式の段取り説明を聞きながら、「ウフフ……」などと照れくさそうに見つめ合う新婚カップルを眺めていると、なんだか微笑ましい気分になったのが正直なところだ。
また、新婚カップルに「二世」が多いことも目についた。二世というのは親が旧統一教会の信者で、自身も産まれたときから教義に囲まれて育った信者のこと。合同結婚式で結ばれた両親の子供が、今度は自分も合同結婚式に出席するというのだ。世代交代が進む教団内では、今後、この二世たちが中心になると予想される。
さて、やはり気になるのは「どうやって実際にカップルをマッチングしているのか?」という点だ。なにせ家族を何よりも大切にする旧統一協会では、「信者の結婚率は100%、その離婚率は1.7%」という、にわかに信じがたい数字を叩き出しているのである。
かつては、教祖・文鮮明が選んだ相手と、いきなり合同結婚式当日に対面させられる。その相手は見たことも会ったこともない素性がわからぬ人物。日本語をしゃべることができない韓国人であるケースも多い。
合同結婚式が社会問題化したときに囁かれていたのは、このようなことだった。だが現在は状況が大きく変わっており、より「洗練された」システムが導入されている。
祝福(結婚)に至るまでのプロセスはいくつかあるのだが、近年増えているのはネットにプロフィールをアップするパターン。プロフィール欄には3つの条件(「家族を大切にする」など)を挙げることができるそうだ。
もっともプロフィールを見ることができるのは親のみ。親が「この相手なら」と思った場合はプロフィールの人物や両親と会い、さらにそこで手応えを感じた場合のみ本人同士が対面するのだという。
http://news.livedoor.com/article/detail/13684269/
(>>2以降に続く)
1992年に桜田淳子や山崎浩子が参加したことで注目を集めた合同結婚式は、霊感商法の問題などと絡めて大きく報道された。旧統一教会の一般的イメージは、ここで決定的になったと言っていい。だが、その後は教団の体質にも大きな変化が訪れる。創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)の死去があったし、教団名も変わった。信者の数も減少したようだ。
そのような中、かつてと同じように大々的に合同結婚式が開催されているというのだから驚く人も多いだろう。だが、多くの信者たちにとって今も合同結婚式は最重要年中行事。NFLのスーパーボウル、WWEのレッスルマニアに相当するものなのだ。この「世界でもっとも巨大な結婚式」に今年も参加。その内幕、結婚した信者へのインタビューを前後編に分けてお伝えする。
今年の合同結婚式は9月7日に開催された。会場がある京畿道加平郡の清平は、ソウルから車で2時間ほどかかる。高速道路を降りてから、里山の間をすり抜けてようやくたどり着けるような田舎町だ。現地には膨大な数の合同結婚式参加者が宿泊できる施設もないため、多くの者は前日から近郊のリゾート地に宿泊している。取材班も日本人カップルが多数集まるスキー場のホテルに向かった。
合同結婚式の参加者ともなれば、どこか物々しい人物像を想像するかもしれない。しかし実際には、極めてフツーの若者というのが率直な印象だった。洗練された茶髪の女性もいれば、眉を細く剃り込んでいる男性もいる。中には見るからにオタクっぽいメガネ女子や、北関東のマイルドヤンキーみたいな青年も……要するに、今の日本の平均的な若者像そのものなのだ。
ホテルのロビーにたむろする人たちは9分9厘が旧統一教会の信者なのだろうが、あらかじめ前情報がなかったら、誰も宗教的な集まりだとは気づかないはずだ。
と同時に、新婚カップルたちは初々しいオーラを全身から漂わせていた。純潔教育が徹底されている旧統一教会では、自由恋愛が禁止。婚前交渉はもちろんのこと、手を繋ぐことすら禁じられている。合同結婚式の段取り説明を聞きながら、「ウフフ……」などと照れくさそうに見つめ合う新婚カップルを眺めていると、なんだか微笑ましい気分になったのが正直なところだ。
また、新婚カップルに「二世」が多いことも目についた。二世というのは親が旧統一教会の信者で、自身も産まれたときから教義に囲まれて育った信者のこと。合同結婚式で結ばれた両親の子供が、今度は自分も合同結婚式に出席するというのだ。世代交代が進む教団内では、今後、この二世たちが中心になると予想される。
さて、やはり気になるのは「どうやって実際にカップルをマッチングしているのか?」という点だ。なにせ家族を何よりも大切にする旧統一協会では、「信者の結婚率は100%、その離婚率は1.7%」という、にわかに信じがたい数字を叩き出しているのである。
かつては、教祖・文鮮明が選んだ相手と、いきなり合同結婚式当日に対面させられる。その相手は見たことも会ったこともない素性がわからぬ人物。日本語をしゃべることができない韓国人であるケースも多い。
合同結婚式が社会問題化したときに囁かれていたのは、このようなことだった。だが現在は状況が大きく変わっており、より「洗練された」システムが導入されている。
祝福(結婚)に至るまでのプロセスはいくつかあるのだが、近年増えているのはネットにプロフィールをアップするパターン。プロフィール欄には3つの条件(「家族を大切にする」など)を挙げることができるそうだ。
もっともプロフィールを見ることができるのは親のみ。親が「この相手なら」と思った場合はプロフィールの人物や両親と会い、さらにそこで手応えを感じた場合のみ本人同士が対面するのだという。
http://news.livedoor.com/article/detail/13684269/
(>>2以降に続く)