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2017/09/10(日) 17:17:04.94ID:CAP_USER7月10日。突然、重慶市書記の孫政才が失脚し、貴州省書記の陳敏爾が後釜を引き継いだ。
孫政才は胡錦濤前政権時代に共青団(共産主義青年団=「団派」ともいう)のライジングスターと言われ、49歳で農業相、第十八回党大会で政治局員に抜擢された。このため一時は次期首相候補として有力視されたこともあった。
前の重慶市書記で、習近平最大の政敵だった薄煕来時代の汚職体質が一掃されなかった責任云々と取って付けたような理由が並べられ、あるいは孫夫人の汚職にあるともされた。
しかし北京の情報筋に言わせると、習近平は子飼いの陳敏爾を取り立てるために孫が邪魔だったのである。あらたに重慶市書記となった陳敏爾は浙江省時代からの習近平の子飼いで、習近平が浙江省書記のおりは党宣伝部長を務めた。“二階級特進”で貴州省書記になったときも想定外の人事だったので驚かれた。
要するに習近平は、この陳敏爾のような田舎者、方言丸出しの木訥男が好きなのである。庶民性を売り物とするからには、エリート臭の強い大学優秀卒業の団派は体質に合わないというわけだ。
政治における派閥均衡、人脈のバランスから言えば、貴州省という田舎から重慶特別市への「横滑り」人事は中国共産党ランキングで大出世である。すでに陳敏爾は205名いる中央委員メンバーであり、次期政治局入りは間違いないとされる。
孫政才は団派同士では、もう一人のライジングスター胡春華とのライバル関係にあった。ところが孫はいつしか共青団人脈から習近平に近づいたため胡錦濤人脈から嫌われてきた。
胡春華は広東省書記だが、このポストは一貫して反主流派の大物が抑える。前任者の汪洋(現副首相、次期首相候補のひとり)は国際的にも顔が広く、日本の要人が訪中すると必ず面会するのも彼なら、米国との戦略対話の中国側の責任者も彼でもある。四月の習近平訪米では、米国大統領トランプとの首脳会談で習の隣席に座った。
さて人事をめぐる本格的な派閥争いが、表面に出始めた。孫政才の失脚による玉突き現象も広がり、次期執行部の顔ぶれはまだ霧の中だが、これまでの動きをざっと振り返ることによって構造的対立の図式が浮かんでくる。
大雑把にいうと中国共産党の権力対立は、習近平派 VS 江沢民派(上海派)という構図だが、これに加えて習派と団派との対立も顕著になってきた。
当初、強力な派閥をもたない習近平は団派と共闘関係にあったが、朋友の王岐山(政治局常務委員。中央紀律検査委員会=以下、紀律委=書記)は反腐敗キャンペーンで「大虎も子蠅も」汚職幹部は容赦しないとし、
軍人で江沢民派だった徐才厚と郭伯雄を血祭りに上げ、薄煕来に次いで、検察司法を抑えていた周永康を追い落とした後、その勢いあまって団派の大番頭だった令計画を拘束し裁判にかけた(無期懲役)。
この令計画失脚を契機に習近平は胡錦濤・李克強率いる団派とも激烈な対立関係となる。李克強首相は経済政策の決定権も習近平に奪われ、ずっと横を向いたままだ。
現在の中国共産党の政治局常務委員、つまりトップセブンのうち、習を除いて李克強は団派、王岐山と兪正声は太子党、そして残りの劉雲山、張徳江、張高麗が江沢民派。習の朋友はトップレベルでは王岐山しかいないのである。
常務委員をのぞく政治局の残り18名をみても李源潮、劉延東、胡春華ら団派が10名。習派は僅かに栗戦書と王滬寧くらいである。
前者は文革時代に陝西省に下放されていた習近平の友人であり、後者は江沢民、胡錦濤、そして習近平と三代につかえる外交ブレーン、すなわち「中国のキッシンジャー」である。このふたりが次期政治局常務委員入りするのは確実とみられる。
習近平が権力を集中させる手段のひとつが軍事改編(七大軍区を五大戦区として30万陸軍を削減し、さらに総四部体制を十五の部局にわけて分割統治)で、もうひとつが反腐敗運動による政敵の追い落としだ。
http://www.sankei.com/premium/news/170909/prm1709090004-n1.html
(>>2以降に続く)