新聞は、テレビが放送法で「政治的に公平であること」を求められているのとは違って、「言論の自由」に基づき、各々の立場に沿った言論、報道を行う。ただ、「自由」に「責任」を伴うのは当然で、無責任な言動によって見捨てられるリスクがある。
そんな新聞各社も、こと対北朝鮮については主義主張に拘泥せず、我が国の平和を一番に考えていると思ったがそうでもないらしい。
いまに始まった事ではないが、東京新聞に大いに疑問を感じる。
北朝鮮は8月29日早朝、中距離弾道ミサイル1発を発射、北海道・渡島(おしま)半島と襟裳(えりも)岬の上空を通過した後、太平洋上に落下した。
30日付の東京新聞「こちら特報部」には、「北ミサイル関連過熱報道」と題した記事が掲載され、「メディア冷静に情報分析を/日本上空だが…『わが国に』『脅威』あおる首相」との見出しが躍った。
前文で「日本が標的とされたのではなく、何ら被害も受けていない。過剰な反応で客観的事実を見誤る可能性もある」と断じている。さらに記事中、「北朝鮮からすれば、体制維持のための自衛が目的」「米国へのメッセージにすぎない」と過小評価した。
ミサイル発射2日後の31日の菅義偉官房長官の記者会見で、東京新聞の社会部記者が行った質問には我が目を疑った。
「米韓合同演習が金正恩朝鮮労働党委員長の弾道ミサイル発射を促しているともいえる。米韓との対話の中で、金委員長側の要求に応えるよう冷静に対応するように働きかけることをやっているか」と尋ねた。
質問したのは、加計学園問題をめぐって菅氏を質問攻めにした社会部記者である。
菅氏は「北朝鮮の委員長に聞かれたらどうか」と返答したが、平たく言うとこの記者は「金正恩側の要望に応えろ」「冷静かつ慎重な対応をするよう米韓に求めよ」と政府に求めたのだった。
こうした考えは中国やロシアでも聞かれない。北朝鮮の「労働新聞」ぐらいではないか。 これが東京新聞の総意でないことを願う。
さらに9月1日の官房長官会見でも、東京新聞の記者は、8月29日のミサイル発射の前夜に安倍晋三首相が首相公邸に宿泊したのは政府が発射の兆候をつかんでいたとの前提で質問。
「発射の情報がありながら、国民に早い時点で通知しなかった理由は、安全だ、問題ないということか」「前夜になぜ、私たちが知らされなかったのか」などと問い詰めた。
菅氏は「事柄の性質上、答えることは控えたい」などと答えたが異論はない。
それでも東京の記者が質問を止めず、菅氏は「(北朝鮮が)性善説のような質問ですけども」と指摘した上で、「国連決議を何回となく破る無法な国家だ。そうした国に対して、ありとあらゆる対応を取って、国民の安心、安全を守る。これは政府の責務で、それに基づいてしっかりと対応している」とたしなめたが、国家機密も機微もあったものではない。
こんなこともあった。加計学園問題をめぐって、東京新聞特報部の記者が自身の8月25日のツイッターに
「(前愛媛県知事の)加戸(守行)氏の発言があまり報道されなかったのは、報道する価値がなかったに過ぎない。なぜ首相の友人の大学に決まったのか、そのプロセスこそが加計問題の本質だが、加戸氏が国会で語ったのは『いかに愛媛に獣医学部が必要か』という域を出なかった」と投稿したと8月29日にアップの産経ニュースは伝えた。
この投稿に対しネット上では「決めるのは国民。キッチリ事実を報道すべき」「真相を知るためにかなり重要な話が加戸氏も青山氏(繁晴参院議員)の質疑ではあった。こちら側の話も知らないと、一方的な視点になってしまう」などと書き込みが殺到した。
東京新聞は「ほっとWebのコーナー」で「東京新聞ってどんな新聞なの?」という設問にこう答えている。(抜粋)
「オンリーワンの新聞をつくろうというのが編集局の合言葉です」「新聞の使命である『権力の監視』に力を入れており、調査報道を得意としています」「人々の命や暮らしを守ることも、新聞の使命です」と。
余計なお世話だが、同業者として、志が上滑りしてないか、自らに問うのは大切だ。
http://www.sankei.com/politics/news/170909/plt1709090012-n1.html
そんな新聞各社も、こと対北朝鮮については主義主張に拘泥せず、我が国の平和を一番に考えていると思ったがそうでもないらしい。
いまに始まった事ではないが、東京新聞に大いに疑問を感じる。
北朝鮮は8月29日早朝、中距離弾道ミサイル1発を発射、北海道・渡島(おしま)半島と襟裳(えりも)岬の上空を通過した後、太平洋上に落下した。
30日付の東京新聞「こちら特報部」には、「北ミサイル関連過熱報道」と題した記事が掲載され、「メディア冷静に情報分析を/日本上空だが…『わが国に』『脅威』あおる首相」との見出しが躍った。
前文で「日本が標的とされたのではなく、何ら被害も受けていない。過剰な反応で客観的事実を見誤る可能性もある」と断じている。さらに記事中、「北朝鮮からすれば、体制維持のための自衛が目的」「米国へのメッセージにすぎない」と過小評価した。
ミサイル発射2日後の31日の菅義偉官房長官の記者会見で、東京新聞の社会部記者が行った質問には我が目を疑った。
「米韓合同演習が金正恩朝鮮労働党委員長の弾道ミサイル発射を促しているともいえる。米韓との対話の中で、金委員長側の要求に応えるよう冷静に対応するように働きかけることをやっているか」と尋ねた。
質問したのは、加計学園問題をめぐって菅氏を質問攻めにした社会部記者である。
菅氏は「北朝鮮の委員長に聞かれたらどうか」と返答したが、平たく言うとこの記者は「金正恩側の要望に応えろ」「冷静かつ慎重な対応をするよう米韓に求めよ」と政府に求めたのだった。
こうした考えは中国やロシアでも聞かれない。北朝鮮の「労働新聞」ぐらいではないか。 これが東京新聞の総意でないことを願う。
さらに9月1日の官房長官会見でも、東京新聞の記者は、8月29日のミサイル発射の前夜に安倍晋三首相が首相公邸に宿泊したのは政府が発射の兆候をつかんでいたとの前提で質問。
「発射の情報がありながら、国民に早い時点で通知しなかった理由は、安全だ、問題ないということか」「前夜になぜ、私たちが知らされなかったのか」などと問い詰めた。
菅氏は「事柄の性質上、答えることは控えたい」などと答えたが異論はない。
それでも東京の記者が質問を止めず、菅氏は「(北朝鮮が)性善説のような質問ですけども」と指摘した上で、「国連決議を何回となく破る無法な国家だ。そうした国に対して、ありとあらゆる対応を取って、国民の安心、安全を守る。これは政府の責務で、それに基づいてしっかりと対応している」とたしなめたが、国家機密も機微もあったものではない。
こんなこともあった。加計学園問題をめぐって、東京新聞特報部の記者が自身の8月25日のツイッターに
「(前愛媛県知事の)加戸(守行)氏の発言があまり報道されなかったのは、報道する価値がなかったに過ぎない。なぜ首相の友人の大学に決まったのか、そのプロセスこそが加計問題の本質だが、加戸氏が国会で語ったのは『いかに愛媛に獣医学部が必要か』という域を出なかった」と投稿したと8月29日にアップの産経ニュースは伝えた。
この投稿に対しネット上では「決めるのは国民。キッチリ事実を報道すべき」「真相を知るためにかなり重要な話が加戸氏も青山氏(繁晴参院議員)の質疑ではあった。こちら側の話も知らないと、一方的な視点になってしまう」などと書き込みが殺到した。
東京新聞は「ほっとWebのコーナー」で「東京新聞ってどんな新聞なの?」という設問にこう答えている。(抜粋)
「オンリーワンの新聞をつくろうというのが編集局の合言葉です」「新聞の使命である『権力の監視』に力を入れており、調査報道を得意としています」「人々の命や暮らしを守ることも、新聞の使命です」と。
余計なお世話だが、同業者として、志が上滑りしてないか、自らに問うのは大切だ。
http://www.sankei.com/politics/news/170909/plt1709090012-n1.html