0001ねこ名無し ★@無断転載は禁止
2017/09/10(日) 12:19:24.34ID:CAP_USER「自分の国の言葉を勉強して何が悪いんですか」−−。戦後、朝鮮学校を開くまでの苦難の歩みを、滋賀朝鮮初級学校の全児童が演じる劇「夢見る権利」が8月末、大津市木下町の同校グラウンドで披露された。
児童らはハングルの母音字や子音字を描いたボードを手にし、植民地期に奪われた言葉と文化を取り戻す強い思いを表現した。
言葉と文化は完全に取り戻せたのだろうか。日本政府も批准している子どもの権利条約は、少数民族の児童が「自己の文化を享有し、自己の言語を使用する権利を否定されない」と定める。民族教育権という。とはいえ、在日コリアンの大半が通う公立学校では、コリアの言葉や文化を学ぶのは難しいのが現状だ。
朝鮮学校では可能だが、「全員が通える条件にはない。だったら、公立学校の中に朝鮮学級を作ってください」と鄭想根(チョンサングン)校長(59)は提案する。
実はかつて各地にあった。戦後に開校した朝鮮学校に閉鎖令が出された後に誕生した。鄭校長によると、県内には49年12月から72年まであり、18小中学校に設けられた。彦根市立城東小は国語や給食など以外はコリアンのみで授業を受け、小規模校は放課後に朝鮮語と朝鮮の歌などを学んだという。
コリアンの多い大阪市には、今もある。市教委によると、公立小中の25%弱の106校にあり、民族講師が放課後、主に週1回指導する。5人程度の在籍を目安に要望を受け、予算を考慮して設置しているという。
民族教育権は、県内で増えている日系ブラジル人などの子どもたちにも当然ある。公立学校に日本語教室が設置されるなど対応は進むが、母語支援は今後の課題だ。
現状を知る鄭校長は「母語を喪失し、両親と意思疎通しにくい。そして不登校……。50、60年前に私たちオールドカマーが経験してきたこと」と指摘し、「ポルトガル語を教えるブラジル学級を公立学校に作れば、自己喪失や自己否定は起こらないのではないか」。
冒頭の劇は、異文化交流イベント「ウリハッキョ マダン」(私たちの学校の広場)の一コマだ。地域とのつながりを強めようと始まり、今年で12回目。過去最多の約750人が集まったという。ブラジル学校「サンタナ学園」(愛荘町)も毎回サンバを披露している。地域の理解こそ、マイノリティーのよりどころである。
実行委員長を務めた野洲市の保育士、小森央士さん(37)は「『ウリハッキョ』は学校目線の言葉かと思ったけれど、中に入ってみると来てくれた人も含めての深い言葉だとわかった」と話した。
劇の最後。「私の夢は−−」に続け、児童全員が一人一人宣言する。「サッカー選手」「ソンセンニム(先生)」「女優」「YouTuber(ユーチューバー、ネット動画投稿者)」……。最後に声を合わせて「ウリハッキョエソ コンブハジャ(私たちの学校で勉強しましょう)」。
卒業後、大半が京都朝鮮中高級学校(京都市左京区)の中級部に進む。【エリア編集委員・大澤重人】
北朝鮮籍ではない朝鮮籍
自己紹介をすれば「日本語上手ですね」「いつ来られたの?」。「在日朝鮮人です」と名乗れば「北朝鮮の方ですか」。
「在日コリアンは年柄年中、年齢関係なしに誰もがこういう質問を何百回と受けるわけですよ」と鄭想根校長。日本にいるのは朝鮮籍の人で、これは北朝鮮籍とは違う。鄭校長は「正しく理解して」と切望する。
日本に植民地支配され、日本人とされた朝鮮半島出身者やその子孫は、サンフランシスコ平和条約が発効する1952年4月に日本国籍を喪失した。
しかし、実際は47年に「当分の間、外国人とみなす」外国人登録令が出され、国籍欄に「朝鮮」と記入された。現在の朝鮮籍はそれを変更していない人を言う。国籍ではなく、日本政府によると出身地域を示す「記号」。
その理由はさまざまで、48年建国の北朝鮮に共感する人や将来の南北統一に願いを託す人、当初軍事政権だった韓国を支持しなかった人などがいる。
https://mainichi.jp/articles/20170908/ddl/k25/040/518000c
(>>2以降に続く)