海女漁が盛んな韓国・釜山市で、「海女さん入門講座」が人気を呼んでいる。海女の高齢化で今後の担い手不足が懸念される中、ベテランの海女が潜り方や海産物のとり方を直伝。受講者がすぐに「跡取り」となるのは難しいが、講座を市民と海女の出会いの場とし、後継者の発掘と技術の継承を目指す取り組みだ。
「両足を上げると、深く潜りやすいよ」。8月26日、釜山市北東部の機張(キジャン)郡にある林浪(イムラン)海水浴場近くの漁場で、地元の海女が海面に顔を出し、声を響かせた。
講座は釜山市と東義大(同市)の「韓日海女研究所」が主催し、昨年から開催。今年は6〜7月、8〜9月の二つの学期を設け、各定員20人で募集したところ、地元の30〜50代を中心に昨年の1・5倍となる男女計約120人が応募した。
講座は期間中の毎週土曜日に実施。午前は海女と一緒に潜水して実技指導を受け、午後は海産物や海女の歴史、安全対策などを学ぶ。計36時間の課程だ。
韓国の海女は全国で約1万2千人。最多の約4千人が従事する済州島が有名だが、釜山市内にも約950人がおり、タコやアワビなどの貝類をとっている。
同研究所の劉亨淑(ユヒョンスク)教授によると、漁場は海女ごとに細かく決められ、地元の海女の了解がないと新規参入できない。だが海女の多くが65歳以上で、後継者育成が課題となっている。
韓国ではかつて、海女は社会的な評価が高い職業とは言えなかったが、昨年、済州の海女文化が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたこともあり、近年は国民の関心が高まっている。
受講者の高校美術教諭、安恵鎮(アンヘジン)さん(33)は将来、自作の陶芸の器に自分が海女漁でとった海産物を盛って出す飲食店を開業するのが夢だ。「講座が終わっても、海女さんと交流を続けたい」と目を輝かせる。
海女歴55年で、講座の指導役を務める東釜山海女協議会の任〓伊(イムトギ)会長(70)も若手の参入を待ち望む。「海女には学歴などでコンプレックスがある。その辺りを理解してもらえれば若い人と一緒にやっていけるし、技術も伝えたい」と話した。(釜山・竹次稔)
※〓は、「徳」のぎょうにんべんを除いた文字
=2017/09/01 西日本新聞=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/355226/
「海女さん入門講座」で、漁場での実習を終えて笑顔を見せるベテランの海女(中央)と受講生=8月26日、釜山市機張郡
講義では、海女の歴史や地域の海産物などについて学ぶ
「両足を上げると、深く潜りやすいよ」。8月26日、釜山市北東部の機張(キジャン)郡にある林浪(イムラン)海水浴場近くの漁場で、地元の海女が海面に顔を出し、声を響かせた。
講座は釜山市と東義大(同市)の「韓日海女研究所」が主催し、昨年から開催。今年は6〜7月、8〜9月の二つの学期を設け、各定員20人で募集したところ、地元の30〜50代を中心に昨年の1・5倍となる男女計約120人が応募した。
講座は期間中の毎週土曜日に実施。午前は海女と一緒に潜水して実技指導を受け、午後は海産物や海女の歴史、安全対策などを学ぶ。計36時間の課程だ。
韓国の海女は全国で約1万2千人。最多の約4千人が従事する済州島が有名だが、釜山市内にも約950人がおり、タコやアワビなどの貝類をとっている。
同研究所の劉亨淑(ユヒョンスク)教授によると、漁場は海女ごとに細かく決められ、地元の海女の了解がないと新規参入できない。だが海女の多くが65歳以上で、後継者育成が課題となっている。
韓国ではかつて、海女は社会的な評価が高い職業とは言えなかったが、昨年、済州の海女文化が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたこともあり、近年は国民の関心が高まっている。
受講者の高校美術教諭、安恵鎮(アンヘジン)さん(33)は将来、自作の陶芸の器に自分が海女漁でとった海産物を盛って出す飲食店を開業するのが夢だ。「講座が終わっても、海女さんと交流を続けたい」と目を輝かせる。
海女歴55年で、講座の指導役を務める東釜山海女協議会の任〓伊(イムトギ)会長(70)も若手の参入を待ち望む。「海女には学歴などでコンプレックスがある。その辺りを理解してもらえれば若い人と一緒にやっていけるし、技術も伝えたい」と話した。(釜山・竹次稔)
※〓は、「徳」のぎょうにんべんを除いた文字
=2017/09/01 西日本新聞=
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/355226/
![【西日本新聞】「海女さん入門講座」人気 韓国・釜山市 定員20人⇒応募120人 ユネスコ登録で関心高まる[9/01] [無断転載禁止]©2ch.net ->画像>2枚](http://www.nishinippon.co.jp/import/world/20170901/201709010007_000.jpg)
「海女さん入門講座」で、漁場での実習を終えて笑顔を見せるベテランの海女(中央)と受講生=8月26日、釜山市機張郡
![【西日本新聞】「海女さん入門講座」人気 韓国・釜山市 定員20人⇒応募120人 ユネスコ登録で関心高まる[9/01] [無断転載禁止]©2ch.net ->画像>2枚](http://www.nishinippon.co.jp/import/world/20170901/201709010007_001.jpg)
講義では、海女の歴史や地域の海産物などについて学ぶ