日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内にある漁場「大和(やまと)堆(たい)」に北朝鮮籍とみられる漁船が多数違法操業している問題に絡み、福井県の5〜8月の大和堆での甘エビの水揚げ高が前年度比76・3%に落ち込んだことが27日、分かった。
違法操業に加え、韓国漁業者との合意で行ってきた海底清掃ができなかったことが影響しているという。
あわら市内で開かれた福井、石川、新潟、兵庫県の底引き網漁業者でつくる「第38回大和堆操業に関する協議会」の本年度会議で報告された。
福井県底曳網漁業協会の齋藤博美会長らによると、会議では水揚げが減った理由について、外国漁船の違法操業が急増し、トラブルを避けるため漁をせず戻ったなどのケースが報告された。
さらに、福井県では、毎年日韓の民間漁業者が協議し日本が行っていた大和堆の海底清掃を、今年は韓国が協議に応じず一部実施できなかったため、放置された韓国のかご漁のかごに網が引っかかり破れたことも影響しているという。
5〜8月の大和堆での漁獲実績は、出漁のなかった兵庫県を除き3県とも前年度を下回った。会議では、海保と水産庁に外国漁船の取り締まり強化を要望することを決めた。また海底清掃の継続について国レベルでの話し合いを求めた。
会議は大和堆での操業をほぼ終えたこの時期に毎年4県持ち回りで開いている。漁業者や行政担当者ら28人が出席した。
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/231652