アジア太平洋系アメリカ人労働者連合(APALA)創設者の1人で、UCLAレイバーセンター(労働研究・労働教育センター)所長のケント・ウォン氏の言葉に、会場は歓声に包まれた。
米カリフォルニア州アナハイム市で開催されたAPALAの25周年大会。
辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の第2次訪米団(団長・伊波洋一参院議員)が参加した同総会で、沖縄県民と連帯し、名護市辺野古、東村高江での新基地建設計画に反対する決議が約600人の参加者の拍手の中、採択された。
■7割が移民
2015年度にも同様の決議を提案したウォン氏。沖縄の労組などの招きで辺野古を訪問したことが基地問題に関わるきっかけだった。ゲート前で連日、抗議活動を続ける市民の姿に心を動かされたという。
「平和を愛する沖縄の人々の地で、基地を拡張する大きな力が働き、小さな島の人々が世界で最も影響力のある日米両政府に抗議を続けている。今こそ平和の連帯を広げなければならない」とウォン氏は語る。
APALAは全米に20余りの支部と、約66万人の会員を有する米国でも影響力のある労働団体。その組合員の7割は、中国や韓国、ベトナムなど、アジア太平洋地域からの移民だ。
米国はトランプ政権下で労働者や移民の権利に抑圧的な政策や、人種差別的な団体の活動が広がる。同大会も、トランプ政権や差別への抗議が大きなテーマだった。総会では、大統領が掲げる「国境の壁」建設への反対決議なども採択された。
■人ごとではない
ウォン氏の言葉には多くの人が呼応した。父方が西原町出身の県系4世ダレン・シロマ氏はオール沖縄が開催した分科会後に語った。
「祖父母は沖縄を誇りに思い、私の価値や理想、信条に影響を与えてきた。米軍基地に投じられる費用は私たち米国民の税金だ。一人一人が連邦議員らに沖縄での米軍基地拡張への反対を働き掛け、立ち上がるべきだと思う」
フィリピンと福岡にルーツのあるエディサ・アダムスさんも分科会で報告された米兵による性暴力に強い憤りを感じた。
沖縄からのDVDやパンフレットを持ち帰り「地元に沖縄のことを伝え、今こそ行動しなければならない」と、1万人の組合員を擁する労組の代表として連邦議員らに働き掛けると力強く語った。
沖縄の問題を米国民が「人ごとではない」と共感し、行動を起こす民主主義の力がAPALAで示された。
伊波団長は「決議を生かして日米両政府に働き掛けたい」と語った。国境を越えた民衆の力が、日米両国の政治を突き動かそうとする行動の輪を広げている。(座波幸代本紙ワシントン特派員)
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APALA総会の夕食会で、沖縄の楽曲を紹介するオール沖縄訪米団=19日、米カリフォルニア州アナハイム市