韓国電力公社は昨日、平昌オリンピック組織委員会に800億ウォン(約77億円)の資金提供を行うと発表した。同社は平昌周辺の電力施設整備事業を進めるためすでに1500億ウォン(約140億円)を拠出したが、これに加えて今回新たに資金を出すというのだ。
平昌オリンピックの運営に必要な資金は現状でおよそ3000億ウォン(約290億円)足りないため、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はつい先日「公企業に支援をお願いしたい」と発言したが、これに韓国電力公社が真っ先に手を上げたのだ。
平昌オリンピックに向けた準備の最終段階で資金が足りなくなれば、最後の手段として国の財政から負担することも可能なはずだし、それに反対する国民もおそらくいないだろう。
現政権はここ1週間、国民の税金から80兆ウォン(約7兆7000億円)を使うポピュリズム的な政策を次々と発表しており、しかも最低賃金引き上げに向けた対策として、民間企業に勤務する社員の給与にまで国民の税金が投入されるという。
そのような中で政府は平昌オリンピック開催のため企業に資金提供を求めている。ただ韓国電力公社を含む企業が平昌オリンピックのために拠出した資金はすでに9800億ウォン(約950億円)に達している。
韓国電力は上場企業だ。筆頭株主は政府だが、基本的には多くの株主の企業だ。そのような企業やその子会社などでは、大統領が何か語るたびに役員会議が開かれ、資金提供を決めている。
このような現状に政府は「平昌冬季オリンピック支援特別法」に基づくものと説明している。しかし崔順実(チェ・スンシル)事件をきっかけに政権を握った今の政府が、たとえオリンピック開催支援のためとはいえ、これほど軽々しく企業に資金提供を求めてよいものだろうか。
権力が企業の上に君臨することに誰も疑問も違和感も感じないような悪習は、もう終わらせるべき時を迎えたのではないだろうか。
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