目の前に北朝鮮の要塞島がある韓国・延坪島(ヨンピョンド)で、高まる南北間の緊張を悪用した中国漁船の違法操業が堂々と行われている。
禁漁中のワタリガニを狙ったもので、海の軍事分界線上は危険すぎて南北ともに取り締まりができず、ゴッソリとカニを持って行かれるんだとか。文字通り「漁夫の利」の狡猾な実態を捉えた。
韓国・仁川から高速船で2時間、北朝鮮の陸地まで約15キロ、一番近くの北朝鮮の岩礁まで2キロほどと飛び地のような場所に、人口約2,000人が暮らす延坪島。
2010年11月には北朝鮮側から突如砲撃があり、海兵隊員2人と民間人2人が犠牲となった事件は記憶に新しい。当時、砲撃で火の海となった民家は、そのまま安保観光施設として保存され、無残な姿をさらしていた。
この砲撃を指揮した北朝鮮の金正恩党委員長は今年5月、延坪島から5キロの茂島、7キロの長在島をわざわざ現地指導し、10年の砲撃を「朝鮮戦争後、最も痛快な戦闘だった」などと、韓国側を挑発する発言をしたと北の官製メディアが報じている。
延坪島のすぐ北の海上には、韓国側が設定した北方限界線があり、南北は砲口を向け合っている。特に朝鮮半島情勢が緊迫する中、北朝鮮も漁船の航行を自粛しているようだ。そんな折、北方限界線上で堂々と操業するのが中国漁船の船団だ。
地元住民の50代女性は「名物のワタリガニだけでなく、獲れるものはなんでも獲っていく。何年も前から出没するが、昨年と今年はひどい。シーズンの6月には80隻ぐらい押し寄せる」という。
7〜8月はワタリガニの産卵期となり、韓国側は休漁しているが、中国漁船には関係なし。延坪島の展望台から丸見えの場所で、堂々と国旗をはためかせて操業していた。
中国漁船は、韓国側の取り締まり船が動くと北方限界線を越えて北朝鮮側に逃げていくといい、正恩氏の息のかかる精鋭部隊がいる北側でも、友好国の中国船には手荒な真似はできない。
このため事実上、自由な操業と航行が可能で、中国漁船が丸儲けしているというワケだ。
昨年6月のワタリガニ漁期には、怒った韓国漁民が中国漁船2隻を自力で捕まえたり、海洋警察も中国漁船に発砲するといった強硬姿勢に出たが、向こうも向こうで船団を密集させて居座ったり、物を投げ返して抵抗したりと、ただ者ではではない連中だという。
韓国側と中国漁船のバトル、日本にとっては目くそ鼻くそみたいなものだが、中国漁民のしたたかさは日本も笑ってはいられない。
(文・写真=金正太郎)
http://news.livedoor.com/article/detail/13506317/
五星紅旗が見える
禁漁中のワタリガニを狙ったもので、海の軍事分界線上は危険すぎて南北ともに取り締まりができず、ゴッソリとカニを持って行かれるんだとか。文字通り「漁夫の利」の狡猾な実態を捉えた。
韓国・仁川から高速船で2時間、北朝鮮の陸地まで約15キロ、一番近くの北朝鮮の岩礁まで2キロほどと飛び地のような場所に、人口約2,000人が暮らす延坪島。
2010年11月には北朝鮮側から突如砲撃があり、海兵隊員2人と民間人2人が犠牲となった事件は記憶に新しい。当時、砲撃で火の海となった民家は、そのまま安保観光施設として保存され、無残な姿をさらしていた。
この砲撃を指揮した北朝鮮の金正恩党委員長は今年5月、延坪島から5キロの茂島、7キロの長在島をわざわざ現地指導し、10年の砲撃を「朝鮮戦争後、最も痛快な戦闘だった」などと、韓国側を挑発する発言をしたと北の官製メディアが報じている。
延坪島のすぐ北の海上には、韓国側が設定した北方限界線があり、南北は砲口を向け合っている。特に朝鮮半島情勢が緊迫する中、北朝鮮も漁船の航行を自粛しているようだ。そんな折、北方限界線上で堂々と操業するのが中国漁船の船団だ。
地元住民の50代女性は「名物のワタリガニだけでなく、獲れるものはなんでも獲っていく。何年も前から出没するが、昨年と今年はひどい。シーズンの6月には80隻ぐらい押し寄せる」という。
7〜8月はワタリガニの産卵期となり、韓国側は休漁しているが、中国漁船には関係なし。延坪島の展望台から丸見えの場所で、堂々と国旗をはためかせて操業していた。
中国漁船は、韓国側の取り締まり船が動くと北方限界線を越えて北朝鮮側に逃げていくといい、正恩氏の息のかかる精鋭部隊がいる北側でも、友好国の中国船には手荒な真似はできない。
このため事実上、自由な操業と航行が可能で、中国漁船が丸儲けしているというワケだ。
昨年6月のワタリガニ漁期には、怒った韓国漁民が中国漁船2隻を自力で捕まえたり、海洋警察も中国漁船に発砲するといった強硬姿勢に出たが、向こうも向こうで船団を密集させて居座ったり、物を投げ返して抵抗したりと、ただ者ではではない連中だという。
韓国側と中国漁船のバトル、日本にとっては目くそ鼻くそみたいなものだが、中国漁民のしたたかさは日本も笑ってはいられない。
(文・写真=金正太郎)
http://news.livedoor.com/article/detail/13506317/
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