北朝鮮に拉致された被害者の家族が、内閣改造後初めて加藤拉致問題担当大臣と面会し、北朝鮮の核とミサイルの問題に注目が集まる中、拉致問題が置き去りにされないよう全力の取り組みを求めました。
内閣府で行われた面会には、横田めぐみさんの母親の早紀江さんのほか、地方に住む被害者の家族も出席しました。
この中で加藤拉致問題担当大臣は「北朝鮮に対する一連の厳しい圧力をてこにしながら、すべての拉致被害者の1日も早い帰国のため、あらゆる政策を駆使していきたい」と述べました。
拉致問題は最初の事件の発生から来月でちょうど40年になりますが、こう着状態が続いていて、家族の間には北朝鮮の核とミサイルの問題に注目が集まる中、拉致問題が置き去りにされかねないという危機感が強まっています。
面会のあと横田早紀江さんは「『拉致被害者を帰してください』と言っているだけで、親としては帰って来てくれればいいだけです。何十年たっても何もわからず何も動きませんが、政府を信頼して見つめていくしかありません」と話しました。
また、今月で拉致から39年がたった増元るみ子さんの弟の照明さんは「拉致問題は日本政府が責任を持って解決しなければならない問題であり、確実にやっていただきたい」と求めました。
加藤拉致問題相 早期帰国目指す考え
一方、加藤大臣は面会で、「北朝鮮による拉致事件が発生して大変、長い年月がたち、体調を壊したり、残念ながら家族とお会いすることができず亡くなられた方もいる。拉致問題の解決に向け、一刻の猶予もならないという切迫感を私も共有させていただきたい」と述べました。
そのうえで、加藤大臣は
「国連の制裁決議では、拉致問題をはじめとする北朝鮮の人権や人道問題に対する国際社会の強い懸念が示されていて、日本としてもしっかり実行していく。北朝鮮に対する一連の厳しい圧力をてこにしながら、すべての拉致被害者の1日も早い帰国のため、あらゆる政策を駆使していきたい」と述べ、
国際社会と連携して北朝鮮に圧力をかけながら、すべての拉致被害者の早期帰国を目指す考えを示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170821/k10011106481000.html
拉致問題進展なく、政府説明=家族「なぜ動かない」
加藤勝信拉致問題担当相は21日、拉致被害者の家族らを内閣府に招いて、7月に政府が実施した北朝鮮への追加制裁などを説明した。
家族からは拉致問題が手詰まり状態となっていることについて「なぜ動かない」との声が上がった。
加藤氏はこの2年間を振り返り「(被害者の)帰国の具体的な道筋を見いだすことができなかった」と認める一方、「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と強調し、全力で取り組む考えを示した。
横田めぐみさん=拉致当時(13)=が新潟市で拉致されてから今年で40年となる。
終了後、報道陣の取材に応じた母の早紀江さん(81)は「どうにもできないのが不思議で仕方ない。政府に頑張ってくださいと言い続けるしかない」と話した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082100898&g=prk