【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】北朝鮮の暴走で、にわかに緊張が高まっている東アジア。後ろ盾の中国やロシアもさじを投げつつあり、先日の国連安保理による北朝鮮への制裁決議でも、慎重な姿勢を示すと思われていたロシアが賛成に回った。
ロシアは極東で、政治的対立より経済を優先させていくとみられ、ウラジオストクでは日本や中国、北朝鮮など18か国の観光客らを対象に、入国ビザ取得を今月から緩和。そのウラジオストクと緊密な船便で結ばれているのが韓国・釜山だ。
福岡など日本各地からもフェリー便があるこの港町には、裏名物ともいえるディープスポットがある。
「釜山駅前の『外国人観光通り』です。夜になると様子が一変し、毒々しいネオンがきらめき、あちこちからディスコミュージックが重低音で鳴り響くようになります」とは、月に2度、日本から行き来している福岡・博多在住会社員。
その名の通り、軒を連ねる店、またその前で客を引く女性たちの顔立ちはさまざまだ。中国、フィリピン、インドネシア…そして最多はロシア勢。金髪で青い目の美女が店外のスツールに腰かけ、流し目を送って韓国語で何やら話し掛けてくる。
店の看板は、カラオケやパブ、ディスコになっているが、「すべて売春窟。バーで一杯飲み、女性にもおごって軽く話し、気が合ったら、近くにいくつもある連れ込み宿にシケ込むというわけです。相場は10万〜15万ウオン(約1万〜1万5000円)」と会社員。
店に属している子もいれば、立ちんぼもいる。道行く男たちにほほ笑みかける白人ギャルは、韓国の街だと異様に目立つ。それをあっせんする“やり手ババア”もいて「ロシア、ロシア」とささやいてくる。
地元男性には評判なよう。タクシーで乗りつけ、道端で値段交渉している中年男性の姿もしばしば。
「ただ、純粋なロシア人は少ないのでは。あくまでロシア系や、旧ソ連圏の女性が中心。ベラルーシ、ウクライナ、ウズベキスタンなど…」(同)
このエリアはもともと中華街で、それがいつの間にかロシア人船乗りもたむろするようになったといわれる。今ではロシア系両替商、ロシア料理店や食材店、船員の集まるカフェなどが密集。アジアでも特に大きなロシア人街を形成している。
連れ込み宿は普通にホテル利用もでき、相場は1泊4万ウオン(約4000円)と格安。日本人のバックパッカー女子が、金髪の売春婦に驚く光景も目にする。
日本から最も近く、最安で遊べるロシアタウンとして、とりわけ九州男児の間では語られている歓楽街だが、ポン引きとのトラブルは絶えず、値段交渉などには注意が必要だという。
☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。3年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。
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