文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、「韓半島(朝鮮半島)で戦争は二度と起こらないだろうと自信を持って申し上げる。トランプ米大統領も『どんな対北朝鮮(軍事)オプション(選択肢)を使うにしても、事前に韓国と十分に協議し、同意を得る』と約束した」と述べた。
文大統領は同日、大統領就任100日目の記者会見で、「戦争を防ぐためにどのような韓米協力を行っているか」という質問に、「6・25戦争(朝鮮戦争)による荒廃から全国民が心を1つにし、これほどまでに国を建て直したのに、戦争で再びそのすべてを再び失うことはできない」と答えた。
しかし、一部の専門家は「軍事オプションを完全に排除すれば、交渉力が落ちることになる。まかり間違えば対南(韓国)攻撃用の核兵器保有は既成事実化しているという誤ったシグナルを北朝鮮に発するおそれがある」と話す。
■「韓半島の軍事行動は韓国が決める」
文大統領は会見で「『北朝鮮の挑発に対して強力な制裁や圧力をかけても、最終的には平和的に解決しなければならない』というのは国際的な共通認識だ。韓国の同意なしには誰も韓半島での軍事行動を決定できない」とも述べた。
これに対して、米CNN放送ソウル支局長は「トランプ大統領は軍事オプションにも言及した」として、韓米間の意見の違いを指摘した。すると、文大統領は「制裁と圧力を通じて北朝鮮の追加挑発行為をやめさせ、北朝鮮を核放棄のための交渉の場に引き出すべきだという点では、韓米の見解は一致している」と答えた。
また、「それについてトランプ大統領は断固たる決意を示すことにより北朝鮮に圧力をかけようとしている。必ずしも軍事的行動を起こす意思を持っているとは見ていない」とも述べた。
文大統領は「北朝鮮が米国に対して攻撃的な行為をしたら、それに対して米国が適切な措置を取ることはあるだろう」としながらも、「少なくとも韓半島での軍事行動は韓国が決定しなければならない」と言った。
「北朝鮮に対して特使を派遣する考えはあるか」という質問には、「南北対話が再開されなければならない。だが、我々は焦る必要はない。少なくとも北朝鮮が追加挑発行為をやめないと、対話ムードにならない。対話の条件が整い、南北関係改善も北朝鮮の核問題解決に役立つと判断されれば、その時は北朝鮮に特使を派遣することも十分に考慮できる」と答えた。
また、韓日関係に関して、文大統領は「従軍慰安婦問題が韓日会談ですべて解決したというのは合っていない。強制連行された人々の問題も、両国間の合意(1965年の韓日請求権並びに経済協力協定)が1人1人の権利を侵害することはできないだろう」との見解を示した。
さらに、「両国間の合意にもかかわらず、強制連行された個人が三菱などの企業に対して持つ民事的権利などは残っているというのが韓国の憲法裁判所・大法院(最高裁判所に相当)の判例だ。政府はそうした立場から歴史問題に取り組んでいる」と語った。
■北朝鮮の核の脅威に対する認識、米国と違う
文大統領の同日の記者会見内容について、外交・安保専門家は「国民を安心させるために平和を強調したのは理解できるが、あまりにもその部分ばかり浮き彫りになっているようだ」と評した。
尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長は「米国が軍事オプションを常に机上に載せているのは、最も強い切り札を持って初めて交渉力が生じるためだ。韓国が先にその切り札を排除してしまうと、北朝鮮が恐怖を感じて交渉の場に出てくる理由がなくなるだけでなく、対米交渉で韓国を人質にして利用する形になるだろう」と懸念した。
パク・インフィ梨花女子大学国際学部教授は「今は北朝鮮による脅威を非常に厳重かつ慎重に管理していかなければならない時期だが、それに対する言及は特になく、早くこの状況を解消しようとしているような印象を受ける」と言った。
こうした部分が今後の韓米関係で誤解を招く可能性も指摘されている。
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(>>2以降に続く)