文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日の光復節(日本による植民地支配からの解放)72周年の祝辞で、北朝鮮に対して南北軍事会談や秋夕(チュソク=中秋節)の南北離散家族再会のための赤十字会談開催を再び提案することが14日、分かった。
政府は、文大統領の「ベルリン構想」に基づいて同じ提案を先月したが、北朝鮮からはまだ何も反応がない。
大統領府関係者は同日、「南北間の軍事的緊張を解消し、人道的・非政治的交流は推進し続けるという『ベルリン構想』には修正や後退があり得ない。韓半島(朝鮮半島)危機論が高まれば高まるほど文在寅政権の基本原則はさらに確固たるものになるだろう」と言った。
基本原則とは、北朝鮮の核・ミサイル問題は国際社会と協力して解決し、南北の緊張緩和や人道的問題などは韓国が主導することを指す。文大統領はこうした対北朝鮮「ツートラック戦略」を強調する観点から再び北朝鮮との対話を提案するものと受け止められている。
文大統領は、北朝鮮のミサイルによる挑発行為で引き起こされた現在の情勢を考慮し、今回はこのほかの北朝鮮に対する追加提案は保留することにしたという。
文大統領は「対話と制裁」を並行するという対北朝鮮路線の根幹も変えないことが分かった。最近の韓半島の危機状況と関連して、北朝鮮の核問題の平和的・外交的解決原則を強調しながら、北朝鮮に向けてすぐにでも挑発行為を中止するようあらためて要求する方針だ。
これと合わせて、与党関係者は「文大統領が15日の光復節のあいさつで、国内政治に関して破格の『統合メッセージ』も発表するだろう」と語った。
金真明(キム・ジンミョン)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/15/2017081500482.html
北朝鮮危機:文大統領「韓半島の平和、武力ではやって来ない」
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日、米朝間で緊張が高まって以降、初めてのメッセージを出した。北朝鮮の武力挑発に対しては警告し、米朝間衝突の可能性については憂慮している。
文大統領は同日午前、大統領府首席秘書官・補佐官会議で、「韓半島(朝鮮半島)の平和は武力ではやって来ない。平和と交渉がつらく、なかなか進まなくても、絶対にそうしなければならない」と述べた。
さらに、同日午後にはジョセフ・ダンフォード米合同参謀議長に会い、「韓半島の安保状況は北朝鮮の核・ミサイル能力高度化によってこれまで以上に厳しくなり、実在する急迫した脅威となっている。北朝鮮の追加挑発行為に対して堅固な韓米連合防衛態勢を根幹に強力に対応していこう」と語った。
文大統領は7日のトランプ米大統領との電話会談で、「韓半島で戦争があってはならない」「今は北朝鮮との対話に乗り出す時期ではない」と語ったが、その後1週間は北朝鮮に関する発言をしておらず、事実上沈黙してきた。
ところが、同日になって見解を表明したものだ。文大統領はまず、大統領府首席秘書官・補佐官会議で、まず北朝鮮に対して「北朝鮮はこれ以上状況を悪化させずに、挑発と脅迫するような言動を直ちに中止するよう促す」と言った後、
「我々は北朝鮮が正しい選択をするなら、南北間交流協力を画期的に発展させ、我が民族の明るい未来を一緒に切り開いていくだろう」と言った。
さらに文大統領は「大韓民国の国益が最優先だ。大韓民国の国益は平和だ。韓半島で二度と戦争があってはならない。どんな紆余(うよ)曲折を経ても、北朝鮮の核問題は必ず平和的に解決しなければならない」と述べた。
また、「韓米同盟は平和を守るための同盟だ。米国も現在の事態に対して韓国と同じ基調に基づき、冷静かつ責任を持って対応すると確信している。この点で、韓国と米国の見解は違わない」とも言った。
そして、「無気力な対応だ」という野党の批判を意識してか、文大統領は「危機は安定して管理されている。有事の際の備えも徹底している」と強調した。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者 , 李竜洙(イ・ヨンス)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/15/2017081500483.html