11月にベトナムで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)前後の来日が有力とされるが、北朝鮮情勢をめぐり早期に首脳会談を行うことで日米同盟の絆の強さをアピールすべきだとの判断があった。ただ、北朝鮮情勢が緊迫の度合いを増す中で“幻”の9月初来日となりそうだ。
複数の日米政府筋によると、日本政府が当初、9月上旬の来日を打診した。国賓待遇で2〜3日間の滞在とし、安倍晋三首相との首脳会談では北朝鮮への対応を協議するほか、中国を含む東アジアの安全保障や経済問題に関しても関係閣僚を交えて幅広く話し合うことを想定していた。
ただ、9月9日は北朝鮮の建国記念日にあたり、昨年は北朝鮮北東部・豊渓里で5回目の核実験を実施しているだけに、今年も何らかの挑発行動に出る可能性があり、危機管理上、難しいとの見方が支配的に。
9月中旬から下旬の来日も調整したが、9月は安倍首相の外交日程も立て込んでいる。6、7両日はロシア極東ウラジオストクで行われる東方経済フォーラムに合わせてプーチン露大統領との首脳会談を予定。
中旬にはインド西部グジャラート州を訪れ、モディ首相と日印首脳会談を行う方向で調整している。その後、国連総会出席のため米ニューヨーク訪問も予定する。下旬には臨時国会も召集される見通しだ。
もともと米政府はベトナムAPEC前後にトランプ氏がアジア歴訪を行う方向で調整しており、その一環としての来日が有力視される。ところが、トランプ氏は7月にドイツで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議前後の欧州歴訪を行い、「肉体的な負担が重い」として長期外遊に慎重になっているという。
初来日の時期をめぐっては、政府筋は「北朝鮮の情勢次第では、突然に日米で(首脳会談を)やろうということもある」と指摘しており、引き続き効果的な日程を探ることになる。
http://www.sankei.com/politics/news/170814/plt1708140002-n1.html
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北朝鮮に対する攻撃も辞さない姿勢を示すトランプ米大統領(ロイター=共同)