【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が日米の懸念にもかかわらず、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に当局間会談を提案した。
「緊張緩和のための対話と協力は核問題解決にも寄与する」(趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相)との言い分だが、会談が北朝鮮ペースになる可能性が十分にある。
提案が文在寅大統領の意向なのは確実だ。文氏は今月6日、ベルリンでの演説で、朝鮮戦争(1950〜53年)休戦協定締結から64年の今月27日に軍事境界線付近での敵対的行為停止などを北朝鮮に呼びかけた。
北朝鮮は文氏の演説に対し「寝言のような詭弁(きべん)だ」(15日付の労働新聞)と非難しつつも、「先任者ら(朴槿恵(パク・クネ)前政権)とは異なる立場だというのは幸いだ」と評価した。
さらに、「政治・軍事的な対決状態の解消が必要」と主張している。韓国側の今回の提案は、こうした北朝鮮の反応に呼応したものだ。
朴政権が再開した対北宣伝放送に反発する一方、外貨を獲得できる開城(ケソン)工業団地や金剛山観光の再開を切望する金正恩(キム・ジョンウン)政権の北朝鮮にとって、韓国側からの歩み寄りは国際的な孤立から抜け出す絶好の機会だ。
文氏は誘い水を向けた思いかもしれないが、北朝鮮は核やミサイルの放棄を認めず、その姿勢は根本的に全く変わっていない。むしろ、文氏の「対話と圧力(制裁)」による対北政策を「寝言のようだ」(労働新聞)と一蹴している。
文氏の念願の南北対話が再開しても、北朝鮮が米韓合同軍事演習の停止などを条件に持ち出すことは必至。南北対話で北朝鮮が韓国を抱き込む手法は、文政権が流れをくむ金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で実証済みだ。
むしろ、文氏の安易な歩み寄りが、対北圧力で歩調を合わせてきた日米との足並みを乱す恐れがある。
http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180035-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180035-n2.html
韓国の文在寅大統領
「緊張緩和のための対話と協力は核問題解決にも寄与する」(趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相)との言い分だが、会談が北朝鮮ペースになる可能性が十分にある。
提案が文在寅大統領の意向なのは確実だ。文氏は今月6日、ベルリンでの演説で、朝鮮戦争(1950〜53年)休戦協定締結から64年の今月27日に軍事境界線付近での敵対的行為停止などを北朝鮮に呼びかけた。
北朝鮮は文氏の演説に対し「寝言のような詭弁(きべん)だ」(15日付の労働新聞)と非難しつつも、「先任者ら(朴槿恵(パク・クネ)前政権)とは異なる立場だというのは幸いだ」と評価した。
さらに、「政治・軍事的な対決状態の解消が必要」と主張している。韓国側の今回の提案は、こうした北朝鮮の反応に呼応したものだ。
朴政権が再開した対北宣伝放送に反発する一方、外貨を獲得できる開城(ケソン)工業団地や金剛山観光の再開を切望する金正恩(キム・ジョンウン)政権の北朝鮮にとって、韓国側からの歩み寄りは国際的な孤立から抜け出す絶好の機会だ。
文氏は誘い水を向けた思いかもしれないが、北朝鮮は核やミサイルの放棄を認めず、その姿勢は根本的に全く変わっていない。むしろ、文氏の「対話と圧力(制裁)」による対北政策を「寝言のようだ」(労働新聞)と一蹴している。
文氏の念願の南北対話が再開しても、北朝鮮が米韓合同軍事演習の停止などを条件に持ち出すことは必至。南北対話で北朝鮮が韓国を抱き込む手法は、文政権が流れをくむ金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で実証済みだ。
むしろ、文氏の安易な歩み寄りが、対北圧力で歩調を合わせてきた日米との足並みを乱す恐れがある。
http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180035-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170718/wor1707180035-n2.html
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韓国の文在寅大統領