http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2017/07/17/0300000000AJP20170717001500882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が17日、北朝鮮に対し、軍事境界線付近での敵対行為を中止するための南北軍事当局会談と、南北に別れて暮らす離散家族の再会に向けた南北赤十字会談を提案した。文在寅(ムン・ジェイン)政権が北朝鮮に当局間会談開催を提案するのは初めて。行き詰まった南北関係に風穴を開けられるか注目される。
国防部の徐柱錫(ソ・ジュソク)次官はこの日の会見で、「軍事境界線で軍事的な緊張を高める一切の敵対行為を中止するため、南北軍事当局会談を7月21日に(軍事境界線上にある)板門店北側の統一閣で開催することを北に提案した」と発表した。会談が開かれれば、南北がそれぞれ行っている拡声器を使った宣伝放送の中断と、韓国の民間団体による北朝鮮体制非難のビラ散布問題などが話し合われると予想される。
また、大韓赤十字社の金仙香(キム・ソンヒャン)総裁代行は17日、「秋夕(中秋節、今年は10月4日)に合わせた離散家族の再会行事開催など人道的な懸案を解決するための南北赤十字会談を、8月1日に板門店韓国側の『平和の家』で開催するよう提案する」と発表した。
二つの会談提案は、文大統領がドイツ・ベルリンでの7月6日の演説で示した「新朝鮮半島平和ビジョン」、いわゆる「ベルリン構想」を具体化するものといえる。文大統領は朝鮮戦争休戦協定締結64年になる7月27日に合わせ「軍事境界線での敵対行為を互いに中断しよう」と呼びかけた。また、南北首脳宣言10年で秋夕でもある10月4日に離散家族の再会行事を行おうと呼びかけた。
北朝鮮が韓国の会談提案に応じる場合、2015年12月の南北次官級会談以来、約1年7カ月ぶりに南北当局会談が実現することになる。軍事会談としては14年10月の非公開接触以来33カ月ぶりだ。
韓国政府は「北が肯定的に応じることを期待する」と強調しながら、軍事会談に関しては黄海地区の軍通信線を通じ、赤十字会談は南北赤十字の連絡事務所を通じ、それぞれ回答するよう求めた。
北朝鮮は昨年2月、韓国政府が北朝鮮との経済協力事業である開城工業団地の全面的な稼働中断を決定すると、南北を結ぶすべての通信ルートを絶った。今回の会談提案を機に、これらが復旧される可能性もある。
軍事会談に対し、北朝鮮はこれまでも積極的な姿勢を示しており、実現の可能性は比較的高いとの見方が多い。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長も昨年5月の党大会で、「北南(南北)軍事当局間で会談が開かれれば、軍事境界線付近での衝突の危険を取り除いて緊張状態を緩和させることをはじめ、互いの関心事となっている問題を包括的に協議、解決していくことができるだろう」と軍事当局会談を促した。
他方で、赤十字会談に応じるかは不透明だ。中国にある北朝鮮レストランで働いていて昨年4月に脱北した北朝鮮の女性従業員12人と、脱北後に韓国に定着したものの送還を要求している北朝鮮出身の女性1人について、北朝鮮は送還されない限り、離散家族の再会はないとの主張を繰り返しているためだ。これに対し韓国政府は、レストラン従業員だった女性たちは自由意思で韓国入りし、韓国国民となった女性を北朝鮮に送り返す法的な根拠はないとする立場だ。
韓国政府の提案通り10月4日に離散家族再会行事が開かれれば、15年10月以来2年ぶりとなる。