米ホワイトハウスは28日、韓米自由貿易協定(FTA)に関連し、「大きな格差と不均衡が存在する」と指摘し、トランプ米大統領が韓米首脳会談でFTA再交渉問題をはじめ、韓国との貿易不均衡問題を集中的に取り上げることを示唆した。
一方、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「韓米FTAは両国間の利益の均衡がうまく取れている」と述べ、認識の違いを見せた。FTA問題は首脳会談で主な争点になる可能性が高いとみられる。
ホワイトハウス関係者は同日の電話によるブリーフィングで、韓米FTAについて、「韓国の黒字は縮小しており、米国の対韓輸出は増えているが、依然として大きな格差と不均衡が存在する」と述べた。
その上で、「トランプ大統領は貿易問題を韓国と率直に話し合う必要がある問題だと考えている。トランプ大統領の見方は貿易関係がアンバランスな状況にあるというものだ」と指摘した。外交用語で「率直な話し合い」という表現は、激論を交わすことまでを含めた表現だ。
同関係者はまた、「トランプ大統領は米国製自動車問題、韓国で米国車販売に依然として障壁が存在している点、韓国を通じ過剰な中国製鉄鋼製品が米国に入ってくる事実などについて、率直に話し合うつもりだ」と説明した。
しかし、文大統領は大統領専用機内での記者懇談会で、韓米FTAについて、米国側とは相反する立場を示した。
文大統領は「元々盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の合意したFTAとその後の再交渉による修正で、(韓米FTAは)両国間の利益のバランスが取れていると思う」と述べた。
文大統領は「(韓国は)製造業や自動車の分野で(FTAが)役に立っているが、農業分野では被害を受けるのであって、米国はその逆だ。そのため両国間のバランスを取るのがFTA交渉だ」と指摘した。
文大統領はまた、「韓米間の貿易額は12%増えた。互いにメリットを受けている。韓国企業の対米投資も大幅に増え、それによって米国人の雇用も大幅に増えたといった点を十分に(トランプ大統領)に納得してもらえば、恐らく正しい理解が得られるはずだ」との考えを明らかにした。
金真明(キム・ジンミョン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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