群馬の森(高崎市)の朝鮮人追悼碑をめぐる裁判の第14回口頭弁論が21日、前橋地裁(塩田直也裁判長)で開かれ、碑の設置不許可決定に至る経緯について当時、県の都市計画課長だった中島聡・県土整備部長と守る会の神垣宏事務局長の証人尋問が行われた。
中島部長は、平成24年4月の追悼式で政治的発言があったことをうかがわせる記事を同年5月に朝鮮新報がインターネットに掲載して以降、「県民から苦情や抗議が寄せられ追悼碑自体が論争の対象となった」と説明。公園内で追悼碑に反対する団体が県と小競り合いになり警察まで出動したとし「同会が政治的発言を繰り返したため公園の利用が阻害された」とした。
これに対し、原告側の角田義一弁護士が「時間をおくことで論争が落ち着き元に戻るとは考えなかったのか」と質問。「(碑の設置前に)長い間、双方で話し合い政治的な行事は行わない条件で碑の設置を決めたにも関わらず重大な違反があった」とし、不許可とした事情を述べた。
これに関連し塩田裁判長が「設置以前の14年4月ごろから県側は『強制連行』を碑文から除外するよう指摘、問題視していた。追悼式などで強制連行に触れる発言をしたのはどうなのか」と質問。神垣局長は「表現の自由はあるが、問題という認識はあった。主催者として考えなくてはいけなかった」と答えた。
次回は7月21日。証人採用された茂原璋男元副知事の証人尋問が行われる。
http://www.sankei.com/region/news/170622/rgn1706220039-n1.html
2017.6.22 07:05