ソウル市江南区でビルの管理所長として勤務するイさん(50)は、まだ結婚していない。「若い時は国家試験の勉強にのめり込み、1997年のIMF(国際通貨基金、通貨危機を意味する)以降は就職も困難となった。
それで結婚を考えることができなかった」という。イさんは「最近でも時々結婚のことを考えるが、50歳を超えて結婚すると、退職するまでに子どもが小学校を卒業することができないかもしれない。私のように独身生活をする周囲の友人と交流しながら楽しく暮らすつもりだ」と話す。
韓国の50歳の男性の9人に1人は、イさんのように結婚していなかったり、できなかったりしていることが分かった。このような高齢未婚者は、2010年の20人に1人からわずか5年で2倍以上に増えた。
本紙が統計庁の2015年の人口センサスを分析した結果、50歳まで結婚の経験がない未婚者が占める割合は、男性が10.9%、女性が5.0%であることが分かった。男性の「生涯未婚率」が10%を突破したのは今回が初めてだ。
30年前の1985年は、結婚していない50歳がほとんど見られなかった。男性は200人に1人(0.5%)、女性は333人に1人(0.3%)の割合だった。しかし、2000年以降、徐々に生涯未婚率が増加していった。
男性は2000年の1.8%から10年に5.8%、15年には10.9%と15年間で6倍にも膨れ上がった。女性も同期間に1.4%から5.0%と3.6倍となった。
保健社会研究院のイ・サンリム副研究委員は「50歳の未婚者が急増したのは、20年前のIMF当時に就職できず、結婚する時期を逸した若者たちがその後も続いた不況により非正規職などを転々としたことや、結婚を必須ではなく選択と考える社会的雰囲気の変化が主な原因」と説明する。
また「女性は社会進出の増加で経済的に自立するケースが増えると同時に、結婚を避ける傾向が高まった」と分析する。
市道別の男性の生涯未婚率は、江原道が13.2%と最も高く、次いで釜山(13.1%)、全羅南道(12.4%)、ソウル(12.3%)、済州(12.1%)の順となった。江原道や全南道などの農村地域に未婚の男性が多いのは、低学歴の男性たちの婚姻率が低く、女性たちが農村地域に嫁ぐのを避けているためと思われる。
一方、女性の未婚率はソウルが7.4%と最も高く、次いで済州(6.9%)、釜山(5.8%)、世宗(5.7%)の順であることが分かった。これは、大都市、高所得、高学歴の女性たちが結婚を避けていることが原因とみられる。全国で所得が最も高い地域である蔚山は、男女全ての生涯未婚率が最も低かった。
50歳の男性の未婚率が増加する傾向は今後も続く見通しで、15年後には「『未婚大国』日本を追い抜く可能性がある」との暗い見通しもある。韓国の30代の男性の未婚率は44.2%と、すでに日本(40.6%)を上回っているほか、女性の30代の未婚率(28.1%)は日本(28.9%)の水準に近づいている状況だ。
人口問題の専門家であるソウル大学のチョ・ヨンテ教授は「結婚してこそ子どもを生む韓国の風土にあって、未婚率の増加は出産率に直接的な打撃を与えるほかない。低出産現象を乗り越えるためには、高騰する結婚費用など結婚を避ける要因をなくしていくことが急務」と説明した。
キム・ドンソプ保健福祉専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/16/2017061601598.html
それで結婚を考えることができなかった」という。イさんは「最近でも時々結婚のことを考えるが、50歳を超えて結婚すると、退職するまでに子どもが小学校を卒業することができないかもしれない。私のように独身生活をする周囲の友人と交流しながら楽しく暮らすつもりだ」と話す。
韓国の50歳の男性の9人に1人は、イさんのように結婚していなかったり、できなかったりしていることが分かった。このような高齢未婚者は、2010年の20人に1人からわずか5年で2倍以上に増えた。
本紙が統計庁の2015年の人口センサスを分析した結果、50歳まで結婚の経験がない未婚者が占める割合は、男性が10.9%、女性が5.0%であることが分かった。男性の「生涯未婚率」が10%を突破したのは今回が初めてだ。
30年前の1985年は、結婚していない50歳がほとんど見られなかった。男性は200人に1人(0.5%)、女性は333人に1人(0.3%)の割合だった。しかし、2000年以降、徐々に生涯未婚率が増加していった。
男性は2000年の1.8%から10年に5.8%、15年には10.9%と15年間で6倍にも膨れ上がった。女性も同期間に1.4%から5.0%と3.6倍となった。
保健社会研究院のイ・サンリム副研究委員は「50歳の未婚者が急増したのは、20年前のIMF当時に就職できず、結婚する時期を逸した若者たちがその後も続いた不況により非正規職などを転々としたことや、結婚を必須ではなく選択と考える社会的雰囲気の変化が主な原因」と説明する。
また「女性は社会進出の増加で経済的に自立するケースが増えると同時に、結婚を避ける傾向が高まった」と分析する。
市道別の男性の生涯未婚率は、江原道が13.2%と最も高く、次いで釜山(13.1%)、全羅南道(12.4%)、ソウル(12.3%)、済州(12.1%)の順となった。江原道や全南道などの農村地域に未婚の男性が多いのは、低学歴の男性たちの婚姻率が低く、女性たちが農村地域に嫁ぐのを避けているためと思われる。
一方、女性の未婚率はソウルが7.4%と最も高く、次いで済州(6.9%)、釜山(5.8%)、世宗(5.7%)の順であることが分かった。これは、大都市、高所得、高学歴の女性たちが結婚を避けていることが原因とみられる。全国で所得が最も高い地域である蔚山は、男女全ての生涯未婚率が最も低かった。
50歳の男性の未婚率が増加する傾向は今後も続く見通しで、15年後には「『未婚大国』日本を追い抜く可能性がある」との暗い見通しもある。韓国の30代の男性の未婚率は44.2%と、すでに日本(40.6%)を上回っているほか、女性の30代の未婚率(28.1%)は日本(28.9%)の水準に近づいている状況だ。
人口問題の専門家であるソウル大学のチョ・ヨンテ教授は「結婚してこそ子どもを生む韓国の風土にあって、未婚率の増加は出産率に直接的な打撃を与えるほかない。低出産現象を乗り越えるためには、高騰する結婚費用など結婚を避ける要因をなくしていくことが急務」と説明した。
キム・ドンソプ保健福祉専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/16/2017061601598.html