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暗雲ただよう田中将大の去就 「安楽問題」より、あの“発言”が悪影響? 球団関係者が田中に伝えたいこと
FA権を行使した石川柊太(ソフトバンク)が、獲得に乗り出していたヤクルトに断りを入れたことが報じられた。石川獲得が叶わなかったヤクルトは、先発投手不足解消のため次の補強に動いた。
FA権を行使した福谷浩司(中日)の獲得に向けて調査を進めているという。楽天を退団した田中将大ではなかった。
今年リーグ5位に終わったヤクルト先発陣の立て直しが急務になっている。今年のチーム防御率3.64はリーグワーストで、先発陣の防御率に限れば4.02とさらに悪化する。
2ケタ勝利をあげた投手はおらず、規定投球回数に到達した投手もいない。2年目の吉村貢司郎がチーム最多の9勝を挙げたが、まだ先発の軸として計算できる水準に達していない。
助っ人のヤフーレはゲームメーク能力が高かったが、退団して楽天に移籍することが決定した。即戦力投手がのどから手が出るほど欲しい状況なのだ。
中日の福谷は今季8試合登板で3勝1敗1ホールド、防御率3.72。20年以降に本格的に先発転向したが、2ケタ勝利を挙げたことがなく、規定投球回数に達したシーズンもない。
今季も投球回数29イニングとファームで過ごす時間が長かった。今オフにFA権を行使したが、獲得に乗り出す球団がおらず、残留が濃厚とみられていたが、ヤクルトが先発陣の補強のために白羽の矢を立てた。
「33歳という年齢を考えると過度な期待はできませんが、大崩れしない投球が特徴です。3年連続最下位に低迷した中日で、先発ローテーションに食い込めない投手を獲得することに疑問の声が上がるかもしれませんが、ヤクルトは先発のコマ不足が深刻です。福谷は5、6番手なら期待できる。今季の推定年俸2000万円で、FA権を行使した選手の中では格安で、金銭補償、人的補償が必要ないCランクです。獲得する価値はあります」(スポーツ紙デスク)
ここで気になるのは、そこまでヤクルトの先発陣が手薄ならば、実績ある大投手、田中将大を獲得しないのかということだ。
一時はヤクルトが有力候補とみられ、実際に調査をしていることも報じられたが、その後、獲得に向けて積極的な姿勢を見せるそぶりがない。
民放のテレビ関係者はこう指摘する。
「ヤクルトと楽天は両球団の間で移籍が活発です。今オフも楽天の茂木栄五郎がヤクルトにFA移籍することが発表され、逆にヤクルトからはヤフーレが楽天に入団。今野龍太もヤクルトから楽天にトレードで復帰することが発表されました。当然、田中の状態についても両球団で情報交換しているはずです。ヤクルトは田中のファームの登板試合もチェックしているでしょうし、1軍で通用するレベルに達しないと判断したら獲得を見送る可能性がある。田中は36歳という年齢で今年1試合しか登板していないことを踏まえても、獲得の優先順位が高い投手でないというのが現実です」
■ネットで広がった「安楽問題」
当初は争奪戦になるとみられた田中獲得の動きがみられず、まさかの現役続行危機がささやかれ始めた。
それとともに、ネット上で広まっているのが、「安楽問題」原因説だ。
昨年オフ、後輩選手へのパワーハラスメント行為が発覚して自由契約になった安楽智大と田中は親しく、田中が配信したYouTube企画に安楽が出演したこともある。安楽のパワハラ現場に田中がいたとも報じられた。
球団の調査で田中は不問とされたが、SNSなどで「安楽問題にかかわっていたかもしれない田中の獲得はマイナスイメージしかない」「若手への指導も期待できない」などの声が噴出。
安楽問題が原因でどの球団も田中を獲得しないのでは、という見方が広がっているのだ。
だが、在京球団の編成担当は、「それは関係ないですね。田中と安楽の詳しい関係性はわかりませんが、憶測で判断してはいけない。ネットの情報に流されることはないですよ」と強調した上で、こう続ける。
「それより楽天を退団する際のコメントが気になりました」
田中は退団を決断した心境をメディアに聞かれた際、こう発言した。
「個人的に受けた印象としてはもう期待はされていないんだなと。やりがいというところを素直に感じられなかった」
「(楽天から)オファーをいただいたという事実はあるが、個人的には実質、居場所がないんじゃないかと受け取った」
先の編成担当は、長年過ごした球団を批判するようなこれらの発言が、「各球団の動向に影響しかねない」と言う。
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