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2023/03/27(月) 20:36:37.24ID:GT/asNIk9キューバの国民的娯楽であり、元指導者フィデル・カストロ氏も愛好した野球。しかし、社会的・経済的危機にあえぐこの共産主義体制の島国から脱出する国民が増えている現状を反映し、野球での成功の基準も国内から国外へとシフトしつつある。
公式統計によると、キューバ経済は2020年に11%のマイナス成長を記録し、その後の回復はわずかにとどまっている。冷戦期に始まった米国による禁輸措置で締め上げられているところに、コロナ禍が襲った。食品や医薬品、燃料を求める長蛇の列は見慣れた光景になった。
米税関・国境警備局によれば、2021年10月以降、過去最高に近い15万7000人以上のキューバ人が米国に流入しているという。
キューバ野球の専門家として著書もある米フロリダ州在住のフランシス・ロメロ氏は、「この6年間でキューバを離れた野球選手は、2000年代に比べて3倍になっている」と語る。「これでは、国内の野球リーグは維持できない」
かつてキューバ野球は1992年バルセロナ大会、1996年アトランタ大会、そして2004年アテネ大会と3回の夏季五輪で金メダルを獲得するなど、大きな功績を残してきた。
「かつては、海外で実力を試そうとしてもなかなか移住の許可が下りなかった。最近は16歳、17歳で国を離れる。
キューバ人選手の多くは、もうイデオロギーやキューバ政府の政策には従わない」と、ロメロ氏は言う。
ハバナ中心部に位置するポントン球場。内野の土はぬかるみ、ファウルライン上には雑草が生い茂っているが、まだ幼い野球選手たちが生まれて初めて思い切りバットを振り、キャッチボールをして、練習に励んでいる。
このポントンで野球を始め、キューバ国内リーグの選手となった現ユース世代コーチのイラクリー・チリーノ氏は、こうした子どもたちでさえ、キューバの深刻な経済危機の影響や国外移住の誘惑と無縁ではないと語る。
「キューバでは、グローブやバット、シューズはもちろん、ボールすら足りない。あったとしても価格が高すぎる」と、チリーノ氏は練習の合間にロイターの取材に答えて言った。
野球用品が不足しているせいで、一度は野球に夢中になった子どもも、野球ほど道具が必要なく、他のラテンアメリカ諸国で人気のあるサッカーに転向したり、若いうちから海外でプレーすることを夢見るようになっている、とチリーノ氏は言う。
「現実を直視しなければ。我が国の最も優秀な野球選手は、国内リーグにデビューする前に海外に出て行ってしまう」とチリーノ氏。
野球コーチのニコラス・レイエス氏(73)にとって、これはほろ苦い現実だ。教え子のうち、すでに10数人がキューバ以外のリーグで契約を獲得したという。
「私の指導で野球を始めた子たちが、今は米大リーグの選手だ。誇らしいよ」とレイエス氏は言う。
とはいえ、レイエス氏も、富と名声の魅力が愛国心を上回りつつあると認めている。
「私が現役の頃は違った。国を捨てるなどありえなかった」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/4303ab1fe4d3de9dd331a17f90a2c2bed0e8fcdd
ロイター