2023年1月27日 11時52分エンタメ
「今、心折れかけています」
「プロレスでは、ここ10年くらいで1回しかギブアップしていないですけど、育児では、ここ3か月で何十回もギブアップしています」
こう話すのは、数々の実績と圧倒的なパフォーマンスで現在のプロレス人気を回復させたとも言われる、新日本プロレスのスター、オカダ・カズチカ選手。
去年、第一子の長男が誕生し、プロレスラーとしては異例の2週間の育休取得を宣言しました。
“強さの象徴”ともいえるオカダ選手に待っていたのは、思わぬ“ギブアップ”の日々。
育児と向き合うオカダ選手の新たな素顔と、育児をする親たちに伝えたいメッセージとは。
(スポーツニュース部 記者 松山翔平)
あのオカダ・カズチカが育休?
去年8月、偶然1つの記事が目にとまりました。
“オカダ・カズチカ「育休頂けました」”
最強のヘビー級選手を決める新日本プロレスの大会「G1クライマックス」で連覇を果たし、その翌日、第一子の誕生と育休取得を宣言して世間を驚かせた、オカダ・カズチカ選手。
オカダ選手といえば「プロレス界にカネの雨を降らせる男」を意味する「レインメーカー」の愛称で知られ、金髪に派手なパフォーマンスで人気の選手です。
自身のSNSなどで、その生活感は伺えず「あのオカダ・カズチカが育児?」と思わずにはいられませんでした。
“他人と同じことはしない”
新日本プロレスは、去年10月に亡くなったアントニオ猪木さんが1972年に創設し、長州力さんや藤波辰爾さんなど数々の名選手を輩出してきた老舗の団体。
現在、その人気を引っ張っているのが、オカダ選手です。
1メートル91センチの体格と身体能力の高さを兼ね備え、打点の高いドロップキックや、代名詞のフィニッシュ技「レインメーカー」を駆使して、IWGPヘビー級王座で史上最多の連続防衛12回を達成するなどトップレスラーに上りつめました。
華やかなプレースタイルに加え、マイクパフォーマンスも魅力の1つで、プロレス好きな女性『プ女子』ブームを巻き起こした中心的な存在ともされています。
そんなオカダ選手のポリシーは「他の人と同じことはしない」
中学卒業後、15歳でプロレスラーになることを志し、メキシコに修行に出てデビューしました。
コスチュームや発言、そして、ロープワークなどの戦い方も細部にこだわり、オリジナリティーを徹底的に追い求めて強い存在感を放ってきました。
なぜ“育休宣言”を
そんなプロレス一筋のオカダ選手は、育児とどう向き合っているのか。
NHKの取材に応じたのは、去年12月。
8月下旬から2週間の育休を取得し、この時点でオカダ選手の長男は生後3か月。
プロレスと育児の両立のスタート地点に立ったばかりでした。
「今回はプロレスではなく、育児の取材なのですが…」と切り出すと、リング上では見たことのない柔和な表情で「いやいや、ありがとうございます」と気さくに返してくれました。
まずは、プロレスラーとしては異例とも言える“育休宣言”の理由をたずねました。
記者
「なぜ育休を取ろうと思ったんですか」
オカダ選手
「ただ単純に息子といられる時間を増やしたかったっていうのが1番ですかね。やっぱり僕たち巡業に出てしまって、なかなか会えないですし。かっこよくいえば妻をサポートしたかったって言いたいぐらいなんですけど。
正直、僕自身も父親になるのは初めてですし、そんなサポートする余裕もないですし。何をしたらいいかも分からないっていうことを考えた中で、一緒にいられる時間を大事にしたいなと」
記者
「育休を取得するプロレスラーというのは聞いたことがありませんが『人と違うことをする』というポリシーと関係しているんですか」
オカダ選手
「そうですね。でも人として、ある意味普通なのかなと。レスラーとしてはないことかもしれないですけど、育休を取るっていうのは当たり前のことをさせてもらっているのかなと思います。
やっぱり聞くんですよ、レスラーって、巡業に出ていたら子どもが歩いていたとか、しゃべるようになっていたとか。僕も実際、育休終わって、巡業に2週間くらい行って帰ってくると『あれ、こんなにでかかったっけな』って思ったんですよね。だから最初の2週間に一緒にいられたのはよかったなと思いますね」
意外な素顔 “だっこが苦手”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230127/k10013961801000.html
「今、心折れかけています」
「プロレスでは、ここ10年くらいで1回しかギブアップしていないですけど、育児では、ここ3か月で何十回もギブアップしています」
こう話すのは、数々の実績と圧倒的なパフォーマンスで現在のプロレス人気を回復させたとも言われる、新日本プロレスのスター、オカダ・カズチカ選手。
去年、第一子の長男が誕生し、プロレスラーとしては異例の2週間の育休取得を宣言しました。
“強さの象徴”ともいえるオカダ選手に待っていたのは、思わぬ“ギブアップ”の日々。
育児と向き合うオカダ選手の新たな素顔と、育児をする親たちに伝えたいメッセージとは。
(スポーツニュース部 記者 松山翔平)
あのオカダ・カズチカが育休?
去年8月、偶然1つの記事が目にとまりました。
“オカダ・カズチカ「育休頂けました」”
最強のヘビー級選手を決める新日本プロレスの大会「G1クライマックス」で連覇を果たし、その翌日、第一子の誕生と育休取得を宣言して世間を驚かせた、オカダ・カズチカ選手。
オカダ選手といえば「プロレス界にカネの雨を降らせる男」を意味する「レインメーカー」の愛称で知られ、金髪に派手なパフォーマンスで人気の選手です。
自身のSNSなどで、その生活感は伺えず「あのオカダ・カズチカが育児?」と思わずにはいられませんでした。
“他人と同じことはしない”
新日本プロレスは、去年10月に亡くなったアントニオ猪木さんが1972年に創設し、長州力さんや藤波辰爾さんなど数々の名選手を輩出してきた老舗の団体。
現在、その人気を引っ張っているのが、オカダ選手です。
1メートル91センチの体格と身体能力の高さを兼ね備え、打点の高いドロップキックや、代名詞のフィニッシュ技「レインメーカー」を駆使して、IWGPヘビー級王座で史上最多の連続防衛12回を達成するなどトップレスラーに上りつめました。
華やかなプレースタイルに加え、マイクパフォーマンスも魅力の1つで、プロレス好きな女性『プ女子』ブームを巻き起こした中心的な存在ともされています。
そんなオカダ選手のポリシーは「他の人と同じことはしない」
中学卒業後、15歳でプロレスラーになることを志し、メキシコに修行に出てデビューしました。
コスチュームや発言、そして、ロープワークなどの戦い方も細部にこだわり、オリジナリティーを徹底的に追い求めて強い存在感を放ってきました。
なぜ“育休宣言”を
そんなプロレス一筋のオカダ選手は、育児とどう向き合っているのか。
NHKの取材に応じたのは、去年12月。
8月下旬から2週間の育休を取得し、この時点でオカダ選手の長男は生後3か月。
プロレスと育児の両立のスタート地点に立ったばかりでした。
「今回はプロレスではなく、育児の取材なのですが…」と切り出すと、リング上では見たことのない柔和な表情で「いやいや、ありがとうございます」と気さくに返してくれました。
まずは、プロレスラーとしては異例とも言える“育休宣言”の理由をたずねました。
記者
「なぜ育休を取ろうと思ったんですか」
オカダ選手
「ただ単純に息子といられる時間を増やしたかったっていうのが1番ですかね。やっぱり僕たち巡業に出てしまって、なかなか会えないですし。かっこよくいえば妻をサポートしたかったって言いたいぐらいなんですけど。
正直、僕自身も父親になるのは初めてですし、そんなサポートする余裕もないですし。何をしたらいいかも分からないっていうことを考えた中で、一緒にいられる時間を大事にしたいなと」
記者
「育休を取得するプロレスラーというのは聞いたことがありませんが『人と違うことをする』というポリシーと関係しているんですか」
オカダ選手
「そうですね。でも人として、ある意味普通なのかなと。レスラーとしてはないことかもしれないですけど、育休を取るっていうのは当たり前のことをさせてもらっているのかなと思います。
やっぱり聞くんですよ、レスラーって、巡業に出ていたら子どもが歩いていたとか、しゃべるようになっていたとか。僕も実際、育休終わって、巡業に2週間くらい行って帰ってくると『あれ、こんなにでかかったっけな』って思ったんですよね。だから最初の2週間に一緒にいられたのはよかったなと思いますね」
意外な素顔 “だっこが苦手”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230127/k10013961801000.html