1/12(木) 17:00配信
森の価値は近藤に劣らなかったが…
プロ野球日本ハムからフリーエージェント(FA)宣言した近藤健介外野手(29)がソフトバンク移籍で手にした契約は7年総額50億円超とも見込まれている。メジャー移籍ならともかく、国内他球団への移籍では破格の条件。西武からFAとなり、4年総額20億円でオリックスに移籍した森友哉捕手(27)が地団駄を踏むような圧倒的な差がついた。その一方で来オフに国内FAとなり、ソフトバンク移籍が取り沙汰される西武の山川穂高内野手(31)には夢が膨らむ先例となった。
近藤のソフトバンク入りが決まった直後、NPB球団元監督はこう言った。
「森も吉田(正尚外野手)のメジャー挑戦まで待てば、もう少し上積みがあったかもしれない。伏見(寅威捕手)のことがあったから、それはできなかったんだろうが……。近藤と比べても選手としての価値は勝るとも劣らない。1ヵ月の差がこれほど金額に表れるとは……」
森はオリックスと初交渉から3日後に移籍が決まった。目玉選手にも関わらず、スピード決着だった。
「森がオリックスに来れば、伏見(後に日本ハムにFA移籍)の出番は激減する。オリックスサイドからは伏見の去就を確定させるために森に早く結論を出すよう求めていた。そのため、森は早々とオリックスに入団の内諾を伝えた。この時はまだ吉田がメジャー移籍できるかどうか不透明だった。結果論になるが、仮に吉田の移籍が決まった後なら彼の年俸(今季は推定4億円)が不要となり、レッドソックスから入る譲渡金も21億円ぐらい見込めた。森も巨人、西武との争奪戦になっていたようなので、近藤のようにマネーゲームとなれば少なくとも4年20億円よりははるかに上の契約を手にできたはず。FA移籍での契約は、基本的には一生に一度の大きなものだから森の心境は複雑だろう」(在京セ・リーグ球団編成担当者)
金銭が最優先のFAに原点回帰
近藤はと言えば、吉田がレッドソックス入団で合意との発表後、すぐにソフトバンク移籍を表明した。
「パ・リーグ5球団の争奪戦になり、同一リーグでの移籍を阻止しようと各球団、獲得に躍起になっていた。最終的にオリックスとの一騎打ちになった。吉田の移籍を受けたオリックスは増額したもようだが、ソフトバンクはさらにその上を行った」(同前)
当初は森とそう変わらない条件とされていたが、終わってみれば契約年数、金額共に倍ほどになった。球界でも希少な打てる捕手と、出塁率がウリの巧打の外野手。森は1学年下で近藤より若いだけに「逆になってもおかしくなかった」とは前出のNPB元監督の分析だ。その上でこう指摘する。
「大阪出身で、オリックスのジュニアチームに在籍していた森と違い、近藤は九州に地縁も人脈もほとんどなかった。条件面だけでソフトバンクを選んだ。しかし、おカネを最優先するのが本来のFAの趣旨ではないか。より好条件の球団に行くという原点に立ち返っただけだと思う。今後はこういうトレンドに傾くこともあり得る」
来オフのFA市場を展望すると、本塁打王3度の山川が目玉に挙がる。西武には主力がことごとくFAで流失した“黒歴史”がある。和田一浩、涌井秀章投手(中日)、岸孝之投手、炭谷銀仁朗捕手、浅村栄斗内野手(以上楽天)――、森も去っていった。今オフこそ源田壮亮、外崎修汰両内野手と複数年契約を結び、“生涯西武”にして囲い込んだが、これまで慰留に成功した主力は中村剛也内野手や、栗山巧外野手らにとどまっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3b7f4094aa780fa1655047ae70c818d3ed30bd5
森の価値は近藤に劣らなかったが…
プロ野球日本ハムからフリーエージェント(FA)宣言した近藤健介外野手(29)がソフトバンク移籍で手にした契約は7年総額50億円超とも見込まれている。メジャー移籍ならともかく、国内他球団への移籍では破格の条件。西武からFAとなり、4年総額20億円でオリックスに移籍した森友哉捕手(27)が地団駄を踏むような圧倒的な差がついた。その一方で来オフに国内FAとなり、ソフトバンク移籍が取り沙汰される西武の山川穂高内野手(31)には夢が膨らむ先例となった。
近藤のソフトバンク入りが決まった直後、NPB球団元監督はこう言った。
「森も吉田(正尚外野手)のメジャー挑戦まで待てば、もう少し上積みがあったかもしれない。伏見(寅威捕手)のことがあったから、それはできなかったんだろうが……。近藤と比べても選手としての価値は勝るとも劣らない。1ヵ月の差がこれほど金額に表れるとは……」
森はオリックスと初交渉から3日後に移籍が決まった。目玉選手にも関わらず、スピード決着だった。
「森がオリックスに来れば、伏見(後に日本ハムにFA移籍)の出番は激減する。オリックスサイドからは伏見の去就を確定させるために森に早く結論を出すよう求めていた。そのため、森は早々とオリックスに入団の内諾を伝えた。この時はまだ吉田がメジャー移籍できるかどうか不透明だった。結果論になるが、仮に吉田の移籍が決まった後なら彼の年俸(今季は推定4億円)が不要となり、レッドソックスから入る譲渡金も21億円ぐらい見込めた。森も巨人、西武との争奪戦になっていたようなので、近藤のようにマネーゲームとなれば少なくとも4年20億円よりははるかに上の契約を手にできたはず。FA移籍での契約は、基本的には一生に一度の大きなものだから森の心境は複雑だろう」(在京セ・リーグ球団編成担当者)
金銭が最優先のFAに原点回帰
近藤はと言えば、吉田がレッドソックス入団で合意との発表後、すぐにソフトバンク移籍を表明した。
「パ・リーグ5球団の争奪戦になり、同一リーグでの移籍を阻止しようと各球団、獲得に躍起になっていた。最終的にオリックスとの一騎打ちになった。吉田の移籍を受けたオリックスは増額したもようだが、ソフトバンクはさらにその上を行った」(同前)
当初は森とそう変わらない条件とされていたが、終わってみれば契約年数、金額共に倍ほどになった。球界でも希少な打てる捕手と、出塁率がウリの巧打の外野手。森は1学年下で近藤より若いだけに「逆になってもおかしくなかった」とは前出のNPB元監督の分析だ。その上でこう指摘する。
「大阪出身で、オリックスのジュニアチームに在籍していた森と違い、近藤は九州に地縁も人脈もほとんどなかった。条件面だけでソフトバンクを選んだ。しかし、おカネを最優先するのが本来のFAの趣旨ではないか。より好条件の球団に行くという原点に立ち返っただけだと思う。今後はこういうトレンドに傾くこともあり得る」
来オフのFA市場を展望すると、本塁打王3度の山川が目玉に挙がる。西武には主力がことごとくFAで流失した“黒歴史”がある。和田一浩、涌井秀章投手(中日)、岸孝之投手、炭谷銀仁朗捕手、浅村栄斗内野手(以上楽天)――、森も去っていった。今オフこそ源田壮亮、外崎修汰両内野手と複数年契約を結び、“生涯西武”にして囲い込んだが、これまで慰留に成功した主力は中村剛也内野手や、栗山巧外野手らにとどまっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3b7f4094aa780fa1655047ae70c818d3ed30bd5