■8月23日/AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝 浦和レッズ 4―0 パトゥム・ユナイテッド(埼スタ)
ACL東地区のベスト4をかけた準々決勝。浦和レッズは、タイのパトゥムを埼玉スタジアムに迎えて戦った。
選手入場の際、浦和サポーターは「威風堂々」のコレオ(ビジュアル)を実施するとともに、大声援を送って浦和イレブンを鼓舞。ハンドで取り消しになったものの、前半1分たたずにゴールネットを揺らすなど、イケイケの空気で試合を支配した。
浦和は前半のうちに2点を奪うと、後半にも2得点。タイのクラブにチャンスをほとんど作らせることなく、90分間を無失点で切りぬけた。結果だけでなく、その内容も浦和が勝利に値するものだった。
その試合後、埼玉スタジアムでスタンディングオベーションが起きる場面があった。それは、両チームの選手がピッチ中央で試合終了のあいさつをし、それぞれがベンチに戻ったあとのことだ。
パトゥムの選手は、再びピッチに足を踏み入れると、北サイドスタンドの方に歩いていく。そして、浦和サポーターに手を合わせ、頭を下げて挨拶をしたのだ。埼玉スタジアムでピッチに声援を送ったことに対してなのか、あるいは、素敵な舞台を用意してくれたことに対してなのか、理由は分からない。あるいは、試合後はいつもなのかもしれない。いずれにせよ、相手チームのサポーターに対して感謝の気持ちを表した。
これに浦和サポーターはスタンディングオベーションで応えた。埼玉スタジアムが再び一体感を持って、温かい空気を作り出した。
■「DAZNはこういうの映して欲しいな」
この行為に対し、SNS上でも好意的な反応が見られた。
「DAZNはこういうの映して欲しいな データだけなら後でいい」
「うちのサポーターはある意味すごく素直で、"リスペクトに値する"と感じたものには惜しまず拍手する」
「長いこと観てるけどレアでめっちゃいい光景でした」
「礼に始まり礼で終わるという言葉がピッタリですね。またアジアの舞台で対戦したい相手です」
「リスペクトというのはこのように自然と顕れるもの。リーグによる強要は永遠に受け入れない」
パトゥムは、リカルド・ロドリゲス監督がかつて指揮を執っていたチーム。試合が終了するとロドリゲス監督はパトゥムベンチを訪れ、選手やスタッフと談笑し、肩を叩き、ハグをして旧交を温めた。浦和とパトゥムの絆は、ここにもあった。
大敗しながらも礼を尽くしたパトゥムと、それを温かく迎えたサポーター。試合記録には残らないが、ACLの大切な一コマとして記憶に残ったはずだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65a54b6adc6c0b599b64eedd2cc53bef9b93c3b3