6/4(土) 6:15配信
東スポWeb
充実した表情の乙武氏(東スポWeb)
今夏の参院選に、東京選挙区(改選数6)から無所属での出馬を表明した作家の乙武洋匡氏(46)が決意を明かした。乙武氏は、2016年夏の参院選にも自民党公認で出馬準備を進めていたが、週刊誌に不倫を報じられ断念。本人いわく「日本中に嫌われた」というほどの猛バッシングを浴びた。あれから6年、乙武氏はなぜ再び政界挑戦の道を選んだのか?
先月19日の出馬表明以降、乙武氏は東急・用賀駅前での街頭演説を皮切りに連日、都内で選挙活動を行っている。通行人から写真撮影を求められるなど、人気と知名度は健在。乙武氏は「思ったよりも期待してくださる方の声が多くて、正直びっくりしてます」と喜んだ。
16年に5人の女性との不倫を週刊誌で報じられ、イメージが失墜。「日本中から嫌われた。あの時にいただいたご批判は、すさまじいボリュームと勢いがありましたので。この国で前向きな活動をするのは難しいのかなと思った」と当時を振り返った。
報道後、乙武氏は8か月間活動を自粛。現実逃避をする思いで17年4月から1年間、海外を放浪した。移住先探しの中で、オーストラリアのメルボルンという安住の地を見つけた。しかし乙武氏は「この快適な町で残りの人生を過ごした時に『自分の人生を燃やし切ったのか』と。自分自身に問いかけた時におそらく、胸を張って『YES』と答えられないだろうなと思う自分がいた」と明かした。
帰国した乙武氏は周囲から「お前みたいな人間は、結果を出したら勝ちだという世界の方が合ってるから、ビジネスの世界に来い」など、多くの誘いを受けたという。そこで一度はビジネスの世界も考えたが、企業家の知人の言葉がその考えを変えた。
「『本当にビジネスをやりたいなら応援する。でも、それって乙武洋匡の無駄遣いじゃない? 乙ちゃんにしかできないことをやらないのは、もったいない』と言われて。その言葉が僕にとっては大きかったです」
この言葉が政界再挑戦のきっかけとなった。さらに早世の家系も影響したという。
「私の父は60、その父も57で亡くなってる。2代続けて60前後で亡くなっているので、私自身もどうなるか分からない。人生の残された時間が短いというつもりで、どう生きていくかは意識してます」
そうした経緯があり、6年という空白の時間を作ってしまった。乙武氏は「正直、決意を表明してから毎日、1分1秒が惜しいという目まぐるしい生活になったんですけど、それがありがたく幸せ。そう思えるのはこの6年間、自分の力を社会に還元できてなかった悔しさ、もどかしさがあった。その思いをいま、ここにぶつけさせていただいてる」と前を向いた。
メルボルンでの快適な生活ではなく選挙戦という〝熱い〟夏を選んだ乙武氏。「決意表明をしてから、やっぱりこちらに進んでよかったと強く思っています。いろんな方が思いを託してくださって、その声を私がより大きな声で社会に対して伝えていくことができる。それだけでもチャレンジを決意した意味があると思ってます」と充実した表情を浮かべた。
「この夏に人生を燃やし切ったか」と自問した時に胸を張って「YES」と答えることができそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9818a90232e0195b2177849674eb30601abc6a1f