衆院選当日の夜(31日)、各局で放送された「選挙特番」。その“メインキャスター対決”も見どころだったが、今回は特に、選挙特番初挑戦となった爆笑問題の太田光(56)に注目が集まっていた。
「選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ」(TBS系)と題されたその番組、冒頭で太田は、いきなりセットによじ登ろうとするなど、超ハイテンションで登場。番組の目玉である「太田光×注目政治家“10番勝負”」では、中継でつながった大物政治家相手に毒を吐きまくった。
れいわ新選組・山本太郎代表に対しては、開口一番「メロリンQ!」と山本代表の過去の持ちネタをブチ込み、その後、経済政策について話を振るも、山本代表が説明を始めるたびに話をさえぎり、ムッとする山本代表を中継後、「あいつ態度悪いね」と吐き捨てた。
自民党の二階幹事長に対しては「怖いなあ、人相が悪いんですが、怒ってますか」でスタート。「いつまで政治家続けるつもりですか」と投げかけ、「君、失礼だよ」と二階氏がキレだしたところで中継は終了。
小選挙区で落選した自民党の甘利幹事長には、「甘利さん、これもう戦犯ですよね? もし負けたら」と切り出し、「まぁ、いろいろこれから考えてください。ウヒャヒャヒャヒャ、ご愁傷さまでした」と締めくくった。
「放送事故」とも言われかねない太田の“口撃”に、中継が途中で「強制終了」となることも多く、「ダメだ、俺向いてないな」とボヤく一幕もあったが、番組が始まると、「#太田光」は即座にツイッターのトレンドワード入り。
SNS上は「二階さんにいつまで続けるんですか!って大爆笑 太田さん!サイコーだ」「太田光は庶民がバカにされてきた事を仕返ししてるだけでしょw」と喝采の声が上がる一方、「不勉強かつ失礼すぎる」「不快なのでチャンネルを変えた」などと炎上した。
また、太田の所属事務所の代表で妻の太田光代(57)は、「“ご愁傷様”は決して悪い言葉ではない」とツイートし、さらに太田をディスるコメントに対して、「アーリンに礼節など無理です。ただ、皆さんは礼儀正しく美しく。生きているのですか? そんな人は芸人出来ません。少なくとも馬鹿ですよ。芸人は。」と噛みつくなど、“場外乱闘”にも発展した。
視聴率は民放最下位も…
ちなみに視聴率は、おおむね8〜9時台の時間帯でNHK(衆院選開票速報2021)が17.7%で断トツ。民放は、日本テレビ系(zero選挙=第1部)10.8%、テレビ東京系(池上彰の総選挙ライブ=第2部)7.6%、フジテレビ系(Live選挙サンデー=第2部)7.6%、テレビ朝日系(選挙ステーション2021=第1部)7.2%、TBS系(同番組=第1部)6.2%の順で、太田の番組は最下位だった(関東地区・世帯・ビデオリサーチ調べ)。
太田自身は、立憲民主党の枝野代表を前に、自身は立憲民主党に入れたことを公言していたが、放送ジャーナリストの小田桐誠氏はこう話す。
「私はなかなかよかったと思う。態度うんぬんという意見もあるようだが、公人に対して、聞きたいことを“太田節”でズバリと聞いていた」
「しかし……」と小田桐氏は続ける。
「太田さんが聞いていたことは本来、政治記者がしなくちゃいけない質問ばかりなんですよ。政治記者がだらしないから、悪目立ちしてしまった格好です。ジャーナリズムの本分である“権力の監視”を太田さんのやり方でやっていたと思う。さらにここまで盛り上がることで、注目を集めることにも一役買っている」
物議を醸している太田の言動だが、権力に対して、トリッキーながら、強烈なパンチを放ったことは間違いなさそうだ。
日刊ゲンダイ 11/3(水) 9:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2d16bbb909d9b72f6b97b4d10683bec71886cdf
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