2021.10.31 16:00 NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20211031_1703426.html?DETAIL
8月29日に首位に浮上したものの、9月以降負けが込み、セ・リーグ3連覇を逃した巨人。終盤の大失速で一時は4位・広島に2.5ゲーム差まで迫られ、クライマックスシリーズ(以下、CS)進出も危ぶまれたが、なんとか3位に滑り込んだ。11月6日からのCSファーストステージでは甲子園球場で2位の阪神と対戦する。
はたして巨人はCSでどう戦うのか、注目が集まっている。プロ野球担当記者が話す。
「原辰徳監督がどうチームを立て直すか。なかでも、巨人移籍後も打率1割5分4厘、3本塁打の不振に終わった中田翔をスタメンで起用するかどうかに注目が集まります」(以下同)
8月20日に日本ハムから無償トレードで移籍した中田は翌日に一軍登録され、翌々日にはスタメンで2ランを放ったが、以降は打てず、2度の登録抹消を味わった。
「安定感抜群の守備は買えますが、中島宏之やウィーラーを差し押さえてまでファーストのスタメンを張るほどの成績は残せていない。“実力至上主義”を謳う原監督が打てない中田にこだわることで、中田自身も苦しんだでしょうし、控え選手にも不満が溜まったはず。2年前の就任会見で、『巨人軍は個人軍であってはならない』とチームへの忠誠を求めた指揮官が不調の中田を使い続ければ、選手が動揺するのは当然です」
2度目の二軍落ちから再々昇格となった10月12日以降の9試合で、中田は7試合に先発出場。代打の2試合を含め、打率1割8分5厘、1本塁打、2打点と打棒復活とはいかなかった。
「原監督は昨年のパ・リーグ打点王である中田の素質に期待しているのかもしれませんが、全く結果が出ていない。5番や6番で使われていますが、中軸を任せられる働きはできていない。最近は、巨人の親会社である読売新聞の関連会社のスポーツ報知でさえ、中田のスタメン起用を疑問視する声を紹介しています」
■巨人OBも「調子がいい者を使っていくのが鉄則」
実際、最近のスポーツ報知の評論家のコラムを読むと、中田のスタメン起用について否定的な声が複数上がっている。
〈点を取らなきゃ勝てないわけだから、打線も調子がいい者を使っていくのが鉄則よね。ここ最近の中田を見ている限りではファーストには代打で結果を出した中島を、レフトでウィーラーを使うのが現状ではベストではないかと思う〉(元巨人ヘッドコーチ・村田真一氏 2021年10月25日)
〈終盤、岡本和はタイトルを意識したのか、どんな球でも打ちたいという気持ちが出てしまったが、復活した丸と坂本も含めたこの3人は力があるから心配はない。ただ、マークはされるから、5、6番の打撃が勝敗のカギを握る。先手必勝を考え、5番にウィーラー、6番に一塁・大城を置く攻撃型の打線を組むのも面白い〉(元巨人監督・堀内恒夫氏 2021年10月28日)
巨人の“機関紙”とさえ言われることもあるスポーツ報知でも、中田起用を控えるべきだというOBたちの意見が紹介されている。巨人OB以外でも、〈オフに鍛え直せば来年は期待できるだろうが、今年に限ってはCSで戦力になるのは難しいかもしれない。(中略)中田の代わりを見極める必要があるのではないか〉(元近鉄・金村義明氏 2021年10月20日)という直接的な意見もあった。
中田の加入が発表された8月20日以降、巨人は14勝29敗10分で勝率3割2分6厘に終わった。9月、10月の月間成績はともにセ・リーグ最下位。中田の加入だけが急降下の原因ではないが、打てない選手を中軸で使い続けた原監督の起用法に異論が出るのは当然かもしれない。
「何人もの“報知の評論家”が提言するほどの事態になっているのに、まだ中田をスタメンで使うのでしょうか。シーズン終盤の起用法を見れば、コーチの中に進言できる人がいない様子もうかがえます。これでは、コーチングスタッフの大幅な入れ替えがない限り、来季も巨人は原監督の独断で物事が進む可能性が高い。
監督ですから自分の判断で采配を振るうのは当たり前ですし、上手く行っている時はいい。しかし、独断は暴走にもつながる。コーチ陣は、監督の暴走を止めるという役割もあるはずですが、中田のスタメン起用にこだわる原監督に誰もモノを言えないのでしょうか。これではCSはおろか、来季も心配になってきます」
原監督はCSでも中田をスタメン起用するのか、注目が集まっている。
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8月29日に首位に浮上したものの、9月以降負けが込み、セ・リーグ3連覇を逃した巨人。終盤の大失速で一時は4位・広島に2.5ゲーム差まで迫られ、クライマックスシリーズ(以下、CS)進出も危ぶまれたが、なんとか3位に滑り込んだ。11月6日からのCSファーストステージでは甲子園球場で2位の阪神と対戦する。
はたして巨人はCSでどう戦うのか、注目が集まっている。プロ野球担当記者が話す。
「原辰徳監督がどうチームを立て直すか。なかでも、巨人移籍後も打率1割5分4厘、3本塁打の不振に終わった中田翔をスタメンで起用するかどうかに注目が集まります」(以下同)
8月20日に日本ハムから無償トレードで移籍した中田は翌日に一軍登録され、翌々日にはスタメンで2ランを放ったが、以降は打てず、2度の登録抹消を味わった。
「安定感抜群の守備は買えますが、中島宏之やウィーラーを差し押さえてまでファーストのスタメンを張るほどの成績は残せていない。“実力至上主義”を謳う原監督が打てない中田にこだわることで、中田自身も苦しんだでしょうし、控え選手にも不満が溜まったはず。2年前の就任会見で、『巨人軍は個人軍であってはならない』とチームへの忠誠を求めた指揮官が不調の中田を使い続ければ、選手が動揺するのは当然です」
2度目の二軍落ちから再々昇格となった10月12日以降の9試合で、中田は7試合に先発出場。代打の2試合を含め、打率1割8分5厘、1本塁打、2打点と打棒復活とはいかなかった。
「原監督は昨年のパ・リーグ打点王である中田の素質に期待しているのかもしれませんが、全く結果が出ていない。5番や6番で使われていますが、中軸を任せられる働きはできていない。最近は、巨人の親会社である読売新聞の関連会社のスポーツ報知でさえ、中田のスタメン起用を疑問視する声を紹介しています」
■巨人OBも「調子がいい者を使っていくのが鉄則」
実際、最近のスポーツ報知の評論家のコラムを読むと、中田のスタメン起用について否定的な声が複数上がっている。
〈点を取らなきゃ勝てないわけだから、打線も調子がいい者を使っていくのが鉄則よね。ここ最近の中田を見ている限りではファーストには代打で結果を出した中島を、レフトでウィーラーを使うのが現状ではベストではないかと思う〉(元巨人ヘッドコーチ・村田真一氏 2021年10月25日)
〈終盤、岡本和はタイトルを意識したのか、どんな球でも打ちたいという気持ちが出てしまったが、復活した丸と坂本も含めたこの3人は力があるから心配はない。ただ、マークはされるから、5、6番の打撃が勝敗のカギを握る。先手必勝を考え、5番にウィーラー、6番に一塁・大城を置く攻撃型の打線を組むのも面白い〉(元巨人監督・堀内恒夫氏 2021年10月28日)
巨人の“機関紙”とさえ言われることもあるスポーツ報知でも、中田起用を控えるべきだというOBたちの意見が紹介されている。巨人OB以外でも、〈オフに鍛え直せば来年は期待できるだろうが、今年に限ってはCSで戦力になるのは難しいかもしれない。(中略)中田の代わりを見極める必要があるのではないか〉(元近鉄・金村義明氏 2021年10月20日)という直接的な意見もあった。
中田の加入が発表された8月20日以降、巨人は14勝29敗10分で勝率3割2分6厘に終わった。9月、10月の月間成績はともにセ・リーグ最下位。中田の加入だけが急降下の原因ではないが、打てない選手を中軸で使い続けた原監督の起用法に異論が出るのは当然かもしれない。
「何人もの“報知の評論家”が提言するほどの事態になっているのに、まだ中田をスタメンで使うのでしょうか。シーズン終盤の起用法を見れば、コーチの中に進言できる人がいない様子もうかがえます。これでは、コーチングスタッフの大幅な入れ替えがない限り、来季も巨人は原監督の独断で物事が進む可能性が高い。
監督ですから自分の判断で采配を振るうのは当たり前ですし、上手く行っている時はいい。しかし、独断は暴走にもつながる。コーチ陣は、監督の暴走を止めるという役割もあるはずですが、中田のスタメン起用にこだわる原監督に誰もモノを言えないのでしょうか。これではCSはおろか、来季も心配になってきます」
原監督はCSでも中田をスタメン起用するのか、注目が集まっている。