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栗山英樹氏から新庄剛志氏に監督がバトンタッチすることになった日本ハムでは、フロントも刷新する。
稲葉篤紀・前日本代表監督が新GM(ゼネラルマネジャー)に就任するのに伴い、GM兼チーム統括本部長だった吉村浩氏は統括本部長専任に。事実上の降格である。
中田翔の暴力問題が起きてからは、説明責任を果たしていないと批判を浴びてきた吉村氏。10月中旬には、記者に説明を求められるや、「何の話?」と逆ギレしたという。
3年連続Bクラス。かつてはダルビッシュ有や大谷翔平らスター選手を数多く輩出し、“育成王国”とまで言われた日本ハムだが、今や見る影はない。
チーム低迷の責任を栗山監督とともに問われ続けてきたのが、チームの編成を一手に掌握してきた吉村GMである。
「日ハムにおいてGMの権限は絶大です。2005年に吉村氏はGM補佐に就任すると、選手の能力を数値化してデータベース化する『ベースボール・オペレーション・システム』を導入。
15年にGMに昇格してからは、若手の獲得・育成やドラフトやトレードなどチームの編成の全権を掌握するように。監督は試合の采配をするだけで、事実上、吉村氏が球団の真の権力者と言われてきました」
そんな吉村氏が今年、大きな批判にさらされたのが、中田翔の問題だった。
編成責任者として吉村氏は、これまで一切、中田問題について一切口を閉ざしてきたのである。
「栗山監督も球団社長も、記者の質問にはきちんと答えてきたのにかかわらず、吉村氏だけが表に出ずに逃げ通してきた。そのためファンからも『GMは説明責任を果たせ』という批判が渦巻いていました」
日本ハム本社側もこの動きを注視していたという。
「すでに昨年頃から、成績低迷について吉村氏の責任を問う声は高まっていました。親会社側は中田問題の実態を把握するため、現場の人間にヒアリングも行い、吉村外しを決断したようです」
番記者らの間でも、中田問題に関する吉村氏の対応の悪さは問題視されていた。
10月11日に行われたドラフト会議の前日に、都内のホテルで番記者らが吉村氏を囲んだ時のことである。
「球団として、中田の問題は終わったという認識でいいのか」 ある記者が単刀直入にこう尋ねると、
吉村氏は 「何の話?」 とすっとぼけたというのだ。
「記者は必死に食い下がって質問を続けたそうです。しばらく押し問答が続きましたが、最終的に吉村氏は『広報を通してくれ。事前に質問申請のないものは答えない』と突っぱね、何も話しませんでした」
皇室でもあるまいし、事前に質問内容の通告を求めるとは呆れるばかりだ。
長きにわたって君臨してきた権力者の交代劇。果たして、新庄監督、稲葉GMの新タッグのもと日ハムの再生はなるか――。
デイリー新潮取材班