EURO2020決勝トーナメント1回戦が29日に行われ、イングランド代表とドイツ代表が対戦した。
グループD首位通過のイングランドと“死の組”グループF2位突破のドイツが、イギリスのロンドンで激突した。EUROでの両チームの対決といえば、イングランドで開催された1996年大会。当時は準決勝で対戦し、1−1のまま迎えたPK戦をドイツが制してイングランドの母国開催の夢を打ち砕いた。
イングランドにとっては因縁の対決。現指揮官のガレス・サウスゲート監督は同試合に選手として出場し、PK戦で6人目のキッカーを務めて唯一の失敗に終わっていた。当時と同じくウェンブリーで25年前の雪辱を果たしたいところ。対するドイツはイングランド撃破後、決勝でチェコに勝利して3度目の優勝を果たした。今大会ではその1996年以来、6大会ぶりの欧州制覇を目指す。
試合は立ち上がりから激しい攻防が繰り広げられた。先に主導権を握ったドイツは4分にレオン・ゴレツカがミドルシュートを放ったが、GKジョーダン・ピックフォードにキャッチされた。徐々に攻撃に転じたイングランドは16分、ラヒーム・スターリングがエリア前中央からゴール右隅を狙ったが、シュートはGKマヌエル・ノイアーにセーブされた。
ドイツは32分にチャンス。カイ・ハフェルツがエリア左へスルーパスを送ると、ティモ・ヴェルナーが抜けて左足で狙ったが、GKピックフォードの好セーブに阻まれた。イングランドは前半アディショナルタイム1分、スターリングがドリブルでエリア中央へ切り込んだが、相手選手に囲まれてカットされる。このこぼれ球をエリア左のケインがフリーで受けたが、トラップが大きくなり決定機を生かせなかった。
後半もドイツが先にチャンスを迎えた。48分にエリア右のハフェルツがこぼれ球を左足ボレーで叩いたが、これはGKピックフォードの好セーブに防がれた。その後も膠着状態が続き、ドイツは68分にセルジュ・ニャブリ、イングランドは69分にジャック・グリーリッシュを投入した。
75分、ついに試合の均衡が破れる。グリーリッシュがエリア左へパスを送ると、ルーク・ショーがダイレクトで折り返す。これを中央のスターリングが合わせて、待望の先制点を奪った。
リードを許したドイツは81分、カウンターでトーマス・ミュラーが抜け出して、エリア前で右足を振り抜いたが、シュートはわずかに枠の左外。同点とする絶好のチャンスを惜しくも逃した。
難を逃れたイングランドは86分、センターサークル付近でボールを奪ってカウンター。ショーが持ち上がってエリア左へパスを送ると、グリーリッシュが折り返す。これに中央のハリー・ケインが頭で合わせて大きな追加点を挙げた。
試合はこのまま終了。イングランドが25年前のリベンジを達成し、2大会ぶりのベスト8進出を決めた。敗れたドイツは4大会ぶりにベスト8に届かなかった。
イングランドは7月3日に行われる準々決勝で、スウェーデン対ウクライナの勝者と対戦する。
【スコア】
イングランド代表 2−0 ドイツ代表
【得点者】
1−0 75分 ラヒーム・スターリング(イングランド)
2−0 86分 ハリー・ケイン(イングランド)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5185db50eae7deadf4ff5b666466d146e03e7553