第3の選択肢が出てきた。
7月場所の出場を明言している横綱白鵬(36)。今年3月場所を途中休場した際は、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を通じて、7月場所に進退を懸ける意向を示していた。
ところが、である。綱打ちを行った12日、報道陣の取材に「ようやく『進退』の意味がわかった」と、こう話していたのだ。
「(進退とは)最後の場所という意味だと思ってたけど、言葉の意味を理解できるようになった。進むのか、退くのか、止まるのか。そういう意味があるのだとわかった」
多くのファンも協会も、白鵬は7月場所を花道にするものだと思っていたはず。3月にはバクダンを抱えている右ヒザにメスを入れており、もはやその力は全盛期に遠く及ばない。それがここにきて、「進む、退く、止まる」と選択肢を増やしたのだ。
ある若手親方は「万が一のときの保険でしょう」と、こう続ける。
「7月場所で好成績を残せば現役続行に文句を言う人はいません。問題は序盤から負けが込んだとき。白鵬の口ぶりからすると、7月場所を途中休場して、翌場所以降に再び、進退を懸けるつもりなのではないか。進むでも退くでもなく止まる……つまり序盤でつまずいた場合は現役続行でも引退でもなく、また休んで様子を見るつもりなのですよ。なにせ白鵬は、オレの存在は今の協会にとって必要不可欠と本気で思い込んでいる。自分で自分のことを『大横綱』と言っているくらいですからね。進退を先送りにして何が悪いのか、と考えていてもおかしくありません」
■横審の存在意義
白鵬は昨年11月場所を休場した際、横綱審議委員会から「引退勧告」の次に重い「注意」を受けた。にもかかわらず、休場は止まらず、もっか6場所連続休場だ。
「白鵬の5月場所休場が問題にならなかったのは、あくまで7月に進退を懸けるという本人の意向をくんだもの。それを反故にされたら横審だって怒り心頭でしょう。というか、ここまでされて何も出来なければ、それこそ自分たちは無用の長物だと認めるようなもの。さすがに横審も自分たちの存在意義を懸けて、引退勧告を決議せざるを得ませんよ」(前出の親方)
もともと潔さのカケラもない「大横綱」。悪あがきの可能性も十分ある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f985a7ae71995e294ecf55dec335a67929db4cba