国民の怒りはもっともだ。
28日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会、政府、東京都、大会組織委員会による5者協議。その冒頭挨拶でIOCのトーマス・バッハ会長は「日本人が粘り強さや、へこたれない精神を持っていることは歴史が証明している。これまで逆境を乗り越えてきたように、五輪だって厳しい状況でも乗り越えられる」と発言。五輪を開催するために不屈の精神でコロナを乗り越えろ! というわけだが、なぜ五輪のために日本人が犠牲にならなければいけないのか。当然のように、インターネット上では「日本は甘く見られたものだ。くやしい」「地続きじゃない小さな島国のことと思って好き勝手に言いやがって」「舐めてんのか」などという声がひっきりなしに飛び交っている。
バッハ会長は21日、「緊急事態宣言は東京五輪と無関係。日本政府による黄金週間(GW)へ向けた感染予防処置と理解している」と言い放ち、コロナに苦しむ国民感情を逆なでしたばかりだ。口を開けば炎上発言を繰り返すこの男に対し、「日本国民のことよりもまず、なんとしてでも東京五輪を開催したいのです」と、続けるのは国士舘大学の非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏だ。
■大本命は北京五輪
「IOC会長の言葉とは思えないほど、無責任で身勝手な発言。新型コロナウイルスに対してエビデンスもない“精神論”を持ち出すなんて、まったく信じられません。日本人をおだてて世論を変えたかったのでしょうが、逆効果です。その実、IOCが東京五輪の開催にこだわるのは、今から約10カ月後に控える冬季北京五輪のためです。中国はいま人権問題の渦中にあり、各国でボイコットの機運が高まっている。もし、東京五輪が潰れたら北京五輪が共倒れになる可能性は非常に大きくなります。中国企業は五輪スポンサーについているから、今後のためにも何としてでもつなぎ留めたい。そんな気持ちが東京五輪に向いているのです」
バッハ会長のスケベ心は空振りし、何か言うたびに日本の開催ムードは縮む一方。数々の失言の末に森喜朗(83=大会組織委前会長)が表舞台から去った今、東京五輪開催の最大のアキレス腱はバッハ会長ではないか。
4/30(金) 11:35
https://news.yahoo.co.jp/articles/777badaa510f2a4d78de2f29f232d0dfec363200