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俳優の東出昌大が、夭折の作家・佐藤泰志の小説を斎藤久志監督のメガホンで映画化する「草の響き」に主演していることがわかった。北海道・函館のミニシアター「シネマアイリス」代表・菅原和博氏の企画・製作・プロデュースによるもので、菅原氏にとって佐藤原作の映画化は今作で5本目となる。
佐藤の没後30年となる昨年、映画製作が発表され、新型コロナウイルスの感染拡大の脅威にさらされながらも11月にクランクイン。オール函館ロケを敢行し、このほど作品が完成した。
「草の響き」は佐藤の本格的な文壇デビュー作で、初の芥川賞候補となった「きみの鳥はうたえる」に所収。東出が扮する主人公の工藤和雄は、心に失調をきたし妻とともに故郷・函館に戻ってくるという設定だ。働くことが出来ない和雄は、病院の精神科に通いながら晴れの日も、雨の日も、心の治療のために函館の街を走り続ける。そんな和雄が路上で出会った若者たちと心を通わすようになったことで、何かが変わり始める……。
「スパイの妻 劇場版」「BLUE ブルー」など、近年も作品に寄り添う芝居を披露してきた東出にとって、「寝ても覚めても」以来、実に3年ぶりの主演作。東出は「心を病んだ男がそれでも走る理由は、きっと『良くなりたい』からだと思います。そして『良い』とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。楽しみに待っていてください」と並々ならぬ意欲をのぞかせている。
プロデュースの菅原氏は、東出起用の経緯を「若かりし頃の佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を一人黙々と走る。そのイメージを考えた時に、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と語っている。
映画は、今秋に全国で公開。
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